絶えず模倣対象となるGEから何を学ぶべきか

 成功事例として登場する企業の代表としてGEが挙げられます。GEの歴史は、新しい経営手法への挑戦の歴史とも言えます。1980年代以降も、シックスシグマ、ワークアウト、ベンチマークなどの手法をいち早く取り入れ、業界を超え参照すべき企業としての地位を不動にしています。当時のCEOであるジャック・ウェルチが掲げた「選択と集中」は、すべての企業の合い言葉にさえなっていました。

 GEの偉大なところは、繁栄が継続していることです。企業の寿命30年説が根強く存在するなか、GEの創業は1878年であり100年を優に超えます。そして、その間常に「エクセレンス・カンパニー」として投資家を魅了させてきました。これだけ好業績を継続させてきた企業に例はなく、業界を超えた世界中の企業から参照されるのも当然です。

 では、そのGEはどこから学んで新しい手法を取り入れているのでしょうか。ゼロからの発明などそうそう生まれるものではなく、世の「新しいもの」のほとんどが模倣から生まれている以上、GEも参照先があるはずです。

弊誌の1月号の日本GE・熊谷社長のインタビューで驚いたのは、リーン・スタートアップの手法をGEが学んでいるという話です。エリック・リースが提唱したこの概念は、成長のスピードを極限までに追求するスタートアップ企業が成功するためのキーコンセプトと見られています。可能性が見えなくなったら迅速に方向転換する、試作品をまず作り顧客に見せる、など従来とは異なる事業開発の手法は、デジタル化とネットワーク化が進んだ事業環境で新たな力を与えました。この手法を歴史もあり規模も巨大でハードな事業を抱えるGEが取り入れようとしています。GEの底力を痛感しました。

 前提条件の違いは大きくても、そこから学べるものはないか。そこにとことん貪欲さを発揮するところがGEのGEたる所以でしょう。

「他社に学ぶ」ことは模倣を意味するのではなく、非常に効果的な手法です。ただし学ぶべきは「やっていること」ではなく、まさにGEのような企業の「学ぶ姿勢」でしょう。(編集長・岩佐文夫)