発見①:ビジネスモデルは4つに大別できる
 我々はまず、投資家の関心と財布を引き付けてきたビジネスをわかりやすく分類して特徴づけることから始めた。今日、高評価を受け急成長しているビジネスはどの業界にも見受けられる。そこで従来の標準的な産業分類は考慮せず、ビジネスモデル――企業が価値を創造・獲得するために資本を投下する最も主要な方法――に基づく枠組みを考案した。以下が、その4つのモデルである。

●資産形成型(Asset Builders)
 形のある商品の製造、マーケティング、流通、販売を目的として、物的資産を構築、開発、リースする企業。例:フォード、ウォルマート、フェデックスなど。

●サービス提供型(Service Providers)
 従業員が顧客にサービスを提供したり、時間ごとに対価を課金したりする企業。例:ユナイテッド健康保険、アクセンチュア、JPモルガンなど。

●テクノロジー創造型(Technology Creators)
 ソフトウェアやアナリティクス、医薬品、バイオテクノロジーといった、知的財産を開発、販売する企業。例:マイクロソフト、オラクル、アムジェンなど。

●ネットワーク・オーケストレーション型(Network Orchestrators)
 同業者・協業者のネットワークを構築する企業。ネットワークの参加者どうしが交流し、共同で価値を創造する。商品やサービスの販売、関係構築、アドバイスの共有、レビューの提供、コラボレーション、共創などを行う。例:イーベイ、レッドハット、VISA、Uber、トリップアドバイザー、アリババなど。

 上記4つのモデルの業績推移を分析するために、我々は1972年から現在に至るまでのS&P500企業のデータに、これらのモデルを当てはめていった。2組の調査員たちが各企業を分類する際、次の要素を加味した。年次報告書に記載された業態の説明、部門別の収益、資本配分の傾向(研究開発費や売上原価など)、そして市場の認識(ニュース記事やアナリストレポートを含む)である。

 ほとんどの企業が複数のビジネスモデルを採用しているため、我々は「事業の大部分に適用されている最も先進的なモデル」、あるいはその企業が「最も発展させようと努めているモデル」に注目して分類を行った。たとえば、ナイキの主力事業は靴の製造と販売なので、本来ならば資産形成型に該当する。しかし同社は〈Nike+〉というエコシステムも開発している。実体のある商品をインターネットにつなぎ、利用者が運動量を記録したり、進捗を友人と共有したりできる仕組みだ。このため、ナイキはネットワーク・オーケストレーション型に分類された。