わずか10年で巨大経済圏が誕生したのはなぜか

 ASEAN地域の消費は、2003年の4,248億米ドルから、2013年には1兆2,800億米ドルと、過去10年間で約3倍増。日本との差も1/6から1/3までに縮まっている。
 

 
 この成長は日本で言えば、東京近郊の大型県である神奈川県、千葉県、埼玉県の合計県内総生産(69兆円、2011年)よりも大きい市場が誕生したことになる。

 なぜこのような広がりがあるのか。ポイントは人口ボーナスにある。ASEAN全体では、人口ボーナスが始まっており、この傾向は2035年まで続くと見られていている。地域としては、「今が旬」の市場となっているのだ。就労可能人口が増えれば、経済も大きくなる。アジア市場という意味では、中国の人口ボーナスが減少しはじめ、インドの人口ボーナスが立ちあがる間にこの地域の成長がある。アジアでなぜASEANなのか、の大きな理由だろう。

 ただし、国別で見ると構造は変わってくる。シンガポールやタイでは人口ボーナスが減少しつつあるが、フィリピンやラオス、カンボジアといった国がこれからの人口ボーナス国となる。先進ASEANを後発ASEANが労働力でいかに支えられるか、「人の移動」がASEANの活力維持に重要となってくる。

 もちろん国を跨いだ経済圏の発展には、人口ボーナスだけでなく、中印といったASEAN隣国の超大国動向、AEC構想の進展といった外部要因へ注意を払うことも必要である。