HBR:ホテルでロボットを使う、というアイデアが生まれた経緯を教えてください。

マクギネス:私たちは5年ほど前に、「アロフト」ブランドを立ち上げました。ターゲット顧客は、テクノロジーに精通した人、アーリー・アダプター(新しい製品・サービスをいち早く利用する人)、次世代の旅行者――いうなればスマートフォンの新製品発売を列に並んで待つような人たちです。

 私たちの主要なロケーションの1つ、シリコンバレーのクパチーノは実質的にアップル本社のキャンパス内です。ここのアロフトでは部分的に、〈アップルTV〉を備えた客室やキーレス・エントリーのような次世代のテクノロジーを試験運用しています。お客様はプラスチック製のキーカードを受け取るためにフロントでチェックインする必要がなく、スマートフォンを使うだけで入室できます。

 そしてサビオークというロボット製造会社が、未来のホテルに向けた技術を推進しているアロフトに関する記事を読み、こう問い合わせてきたのです――「当社はロボットの開発に取り組んでいます。興味はおありですか」。私たちは「もちろんです」と応じました。

 正式な試験運用が始まる4~5カ月前から、ロボットのデザインと機能性、目標設定についてサビオークと共に取り組んできました。私たちが目指すのは、既存の人員とその能力を強化することです。カミソリや歯磨き粉、シェービングクリーム、携帯電話の充電器が必要だという連絡が客室からフロントデスクに入ったら、それをお客様にいかに迅速に滞りなく、かつてできなかった方法でお届けできるか、と考えました。

――ボトラーは何ができるのでしょうか。行先をどのように把握するのでしょうか。

 私たちの協力の下、サビオークは当ホテルのマッピングを完成しました。ロボットはフロントから出発し、ロビーを通り抜けてエレベーターに乗ります。ロボットはエレベーター・システムとコミュニケーションを取り、エレベーターを呼び出します。ロボットのいる階に着くとドアが開き、ボトラーはエレベーターに乗り込んで目的階に向かいます。4階に上っていくとしましょう。エレベーターが4階に着き、ドアが開くと、ボトラーはマッピング技術に従って目的の客室に向かいます。客室に着くと、「ご要望の品をお届けに上がりました」と呼びかけます。お客様がドアを開けると、目の前にはスチール製の容器があり、その蓋がぽんと開きます。備品の受け渡しが終わると、蓋が自動的に閉まります。これで完了、お客様のお役に立ち、ボトラーは往路をたどってフロントに戻るというわけです。以上が現在までの状況です。すでにロボットはフロントと客室の間を何度も往復しました。