2位は、著者も驚いた異色の経営本?

 2位は一橋大学大学院教授の楠木建氏が書いた『「好き嫌い」と経営』が選ばれました。著者が選んだ14人の経営者に、その人の「好き嫌い」をテーマにインタビューしたもので、もともと雑誌の連載が書籍化されたものです。永守重信氏や柳井正氏、新浪剛史氏など一流経営者の「好み」を聞き、そこから経営者の隠れた価値観が浮き彫りになります。本書を押した読者のコメントがどれも熱い言葉がつづられていたのが印象的です。

「楠木先生のインタビューが秀逸」「経営者の本音を理解できる良書」「経営戦略はロジカルな面だけでなく、強い感情が起点になっている。それを読むと不思議と癒される」というコメントまで。

 本書がランクインしたのは著者の楠木氏も想定外だったようで、「好き嫌いを知ることは、その人の経営センスをつかむための最も有効なアプローチだというのが僕の確信です。センスあふれる経営者の方々と好き嫌いだけについて話し合うという対話集になっています。『役立つスキルを伝授する』という経営書の王道の真逆を行く趣味的な本なので、選ばれたのが意外でした」と語っておられます。

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2位に輝いた『「好き嫌い」と経営』と著者の楠木建氏

3位は、世界的注目企業のCEOの著書

 3位にはグーグルCEOのエリック・シュミット氏らが書いた『第五の権力』。いま世界で最も革新的で成功を収めている同社への関心は尽きないようです。本書では未来の姿を著者が冷静に語っていることから、予言の書なのか、それとも未来を変える構想を伝える本なのかと話題になりました。いずれにしろ、従来の延長から予測した未来ではなく、異次元の世界観を紹介した本として著者の洞察力を思う存分発揮されています。

 なお、シュミット氏の新刊『How Google Works』は現在ベストセラーになっておりますが、こちらは今年の11月に刊行されたので今回は対象外。来年のランク入りが期待されます。

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3位に輝いた『第五の権力』と著者のエリック・シュミット氏