(1)個人ではなく、チームのパフォーマンスを評価しよう
 会社によっては、各個人を相対的に評価して、パフォーマンスの高い人だけに莫大な報酬を与える場合がある。できる人間から順に報酬を与える仕組みは魅力的に見えるかもしれないが、パフォーマンスの高いチームメンバーは互いに対抗心を燃やすことになる。つまり、A評価の社員は自分のランキングやインセンティブ、待遇を悪くしないよう、パフォーマンスの高い人と協働しなくなるのだ。だが個人評価ではなく、チーム評価をすることで、このような落とし穴を回避することができる。

(2)メンバーの心を動かすような目標を創造しよう
 A評価人材の数は限られており、すべての業務にパフォーマンスの高いチームを配置できるわけではない。だからこそ、その特別なチームには重要なミッションを与え、メンバー全員がその重要性を理解することが重要だ。アメリカ海軍特殊部隊のチームや全米自動車競争協会(NASCAR)のベストクルーは、全員のパフォーマンスが高く、目標達成がどれほど重要かを全員が理解しているからこそ、成功し続けているのだ。GAPやスペースXのチームメンバーは、会社の命運をかけた仕事を任されていると認識していた。パフォーマンスの高い人に生産的かつ効果的に協働し、さらにエゴを忘れてもらうには、まずはミッションを掲げ、心を動かすことを忘れてはいけない。

(3)優れたリーダー自身がトップチームの責任を担う
 2012年に発表された大企業の現場管理職に関する論文によると、「優秀な社員は、優秀な上司の下に配置する」のが鍵であると説明されている。素晴らしい上司であれば、より効果的に協働し、人の強みを引出すことができるのであろう。一例として、過去20年のフォードの例を見てみよう。2006年まで業績は芳しくなく、毎年シェアを1ポイントずつ失っていた。その後、アラン・ムラーリーがCEOに就任すると、たった数年で大幅に収益性を改善しシェアを取り返した。ムラーリーが協働した経営陣は業績が悪い頃とほとんど同じ顔ぶれだったことからも、リーダーシップがその違いの源泉だと言える。

 経営陣の組成や配置による乗数効果は非常に強力だ。それに気づいている企業は、きっと驚くほど社員一人あたり売上を改善しえるだろう。フォード、GAPやスペースXのように、誰もが予想しえなかったような高いパフォーマンスを実現できるはずである。


HBR.org原文:Build Your Own All-Star Team May 15, 2014

*次回は1月30日(金)公開予定。

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1973年に創設。世界33ヶ国に51拠点のネットワーク、約5700名を擁する世界有数の戦略コンサルティングファーム。クライアントとの共同プロジェクトを通じた結果主義へのこだわりをコンサルティングの信条としており、結果主義の実現のために、高度なプロフェッショナリズムを追求するのみならず、きわめて緊密なグローバル・チームワーク・カルチャーを特徴としている。