メガトレンドに対応した体制で
事業を推進するシーメンス

 シーメンスは、世界的な総合電機企業で、エネルギーやインフラストラクチャーの分野が売上高の過半を占める。また、ヘルスケアの分野でも世界のトップを走っている。これらの事業を抱えるシーメンスが重視するメガトレンドは、「人口動態の変化」「都市化」「気候の変化」「グローバリゼーション」の4つである。

 人口動態の変化では、世界人口の著しい増大や高齢化に着目し、都市化では、世界的な都市部の人口増大に加え、特に新興国におけるメガシティの誕生に注目している。また、気候の変化は、変化そのものが人類や生態系に与える脅威を注視し、早期のアクションを起こすことを意識している。そして、それらの前提として、世界各地の相互依存関係が強まり、グローバリゼーションが今後も進展していくと見ている。

 シーメンスでは、これらのメガトレンドをベースとした「ピクチャー・オブ・ザ・フューチャー」というレポートを年2回発行している。これは世界各国に散らばったエキスパートから情報を収集し、数十年先までの技術動向をまとめたものである。相当な負荷がかかる取り組みであるが、このレポートがシーメンスの明日を拓くイノベーションを導くものとなっている。

 注目すべき点として、4つのメガトレンドに対応した組織体制を構築していることが挙げられるだろう。メガトレンドの一つである都市化に対応するため、「Infrastructure & Cities」というセグメントを新たに作り、重点的にリソースを配置したことは有名だ。他にも、人口動態の変化には「Healthcare」、気候の変化には「Energy」といったように、それぞれに関連の深い事業領域を対応させている。各事業領域にリソースを配分し、時には事業を横断して連携しながら、メガトレンドを持続的成長の糧としているのである。

メガトレンドと顧客ニーズから
将来を描くボッシュ

 ボッシュは、自動車部品などを中心とした総合重機メーカーである。世界有数の重機メーカーというだけでなく、ボッシュ財団が株式の大半を保有し、創業以来の信念を重視した長期的な経営スタイルでも知られている。

 ボッシュが読むメガトレンドは大きく4つある。「人口動態の変化」「気候の変化」「天然資源の漸減」、そして、特徴的なものとして、「社会構造の歪み」を挙げている。これは、経済格差や情報格差など、将来的にも世界には構造的な違いが存在し、新たな対立が発生する可能性があることを意味している。

 そして、これらのメガトレンドに対して、さまざまなシナリオ分析を行っている。例えば、「天然資源の縮小」というメガトレンドについては、米国ではシェールガスの活用により再生可能エネルギーへのシフトが当初の予測よりも遅れている、など、すでに起こった、また、これから起こりうるさまざまなファクターを考慮して具体的なシナリオを立て、その対策を事前に準備しているようである。