図1「将来環境分析のフレームワーク」は、外部環境の要素を定量的なものと定性的なものに分けた上で、もう一段詳細化することで、メガトレンドをより理解しやすくするための工夫である。EDGEの各要素についてはその関連性を捉え、PRISMに含まれる各事象は、それが起きたときの波及効果を考えることで、将来のビジネス環境や企業経営に対する問いかけをより鮮明なものにすることができる。

 ちなみに、PRISMに入れている宗教(Religion)については、このようなビジネス分析のフレームワークにおいて一つの項目とすることはあまりないかもしれないが、これに対する感度が低い日本企業、日本人向けということであえて取り上げている。

 このフレームワークで、グローバル企業が読んでいるメガトレンドを整理すると、ほぼすべての企業で「環境」と「人口動態」を、次いで「経済」や「社会動向」を重視していることがわかる。人口動態をベースとして、経済成長や環境制約、社会動向を読み取り、注力する事業領域や地域、備えておくべき製品特性などを見定めているのであろう。 

 

 

 このようにメガトレンドを読み解き、長期的な企業の方向性を定めたり、戦略を策定したりすることは何も特別なことではない。むしろ、持続的に成長し、高い収益性を誇るグローバル企業では当たり前の作法である。

 では、具体的にはどのようなことに着目し、メガトレンドを経営の基部としているのか。本稿では、デュポン、シーメンス、ボッシュという各業界をリードする企業を取り上げ、外部公開情報に我々の推察を加え、彼らが重視しているメガトレンドやその活用の仕方などを見ていく。