引き延ばされた時間をうまく使うには

 問題(1)と(2)を解決するには――つまりモチベーションを維持し、先延ばし癖がある場合はプレッシャーを維持するには――現在地から目的地までの距離を縮める必要がある。

 その最も効果的な方法は「中間目標を定める」ことだ。最終ゴールまでの道のりを分割していくつかの小さなゴールを設け、戦略的に時間配分するのだ。中間目標の期限には重要な意義がなくてはならない。守れなくてもたいした影響がないならば、本当の期限とはいえないからだ。

ダン・アリエリーとクラウス・ヴァーテンブロッホの研究によれば、このことを暗黙のうちに理解している人は少なくない(英語論文)。

 ある実験で彼らは、学生たちに学期末までに論文を3本提出させた。学期の最終日に3本いっぺんに提出した学生は27%にすぎず、大半は1~2本の論文に早めの期限を自発的に設けていた。それどころか、学生のおよそ半分は学期を3等分して適切な締め切りを設定したのである。それらの学生の論文は質も高く、好成績を収めた(プレッシャーがあったほうがいい仕事ができる、というのは間違いだったわけだ)。

 問題(3)(計画の錯誤)を解決するには、プロジェクトの計画をきわめて慎重に立てる必要がある。具体的には、次のことを明確にしよう。

・過去の類似のプロジェクトでかかった時間を考える。

・予定通りに進まないシナリオをあらかじめ想定しておく。

・プロジェクトをいくつかの段階に分割する。そのために、完了までに必要なステップをすべて詳細に洗い出して、それぞれのステップに必要な時間を見積もる。

 中間目標を設定することが不可能だったり、計画の錯誤を避ける確実な手段がなかったりする場合は、期限を守るようひたすら努力するしかないだろう。そのような状況で期限を延長しても、ほとんど成果を上げることができず、単なる時間の浪費に終わる可能性が高いからだ。


HBR.org原文:Here’s What Really Happens When You Extend a Deadline  August 19, 2013

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