藤田:お客さまがどういったものにアクセスしているのか、ということですね。

シュルツ:そうですね。(9月24日の)「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2014」のセッションでも私は、「IMCにおいて我々は、顧客、メディア、チャネル、社内組織など、あらゆる対象について、それらの関係性の理解に努めるべきだ」と話しました。

 それらをひとつのプラットフォームと考えて、その中で我々は何をすべきか、どういうデータを収集すべきかを考える必要があるのです。

 

IMC3.0:データマネジメントが重要に

藤田:まさにそれが「IMC3.0」ですね。その段階では、やはりデータの取り扱いがポイントになると。

シュルツ:ええ。これから重要なのが、データマネジメントです。

 とはいえ、現段階では“ビッグデータ”と称して非常に多様なデータが収集されてはいるものの、誰もそれをどう管理すべきかが分かっていない状態です。私が考える真のインテグレーションとは、ひとつのプラットフォームの中にこれまで蓄積したデータが適切に管理され、それを統合して活用できるようになったときに初めて実現します。まだ、その段階には至っていない状況です。

藤田:アメリカでも、そんな状態なんですね。

シュルツ:そうなんです。これが実現すれば、もっと個々の「お客さま」の姿が把握でき、それぞれに適切な統合コミュニケーションができます。

藤田 康人氏(ふじた・やすと)
インテグレート代表取締役CEO。 1964年東京都生まれ。慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社に入社。1992年、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、同市場を確立した。2007年5月、IMCプランニングを実践する日本初のプランニングブティックとしてインテグレートを設立。近著に『THE REAL MARKETING-売れ続ける仕組みの本質』(宣伝会議)。

 たとえば、今日この場に2人、PCでメモを取っている人がいますね。同年代の女性で、同じプロジェクトで同じ作業をしているのに、一人のPCはマイクロソフト、もう一人はアップルです。

複数の共通点があっても、異なるプラットフォーム上のまったく別の人なんです。なので私自身がすべきなのは、この2人が何を考え、なぜその行動をしているのか、それぞれを見極めることです。

藤田:なるほど。そうすると、そのためにはライフログのようなデジタルデータが有効になりますか?

シュルツ:まさに、そうですね。個々人がどんなデジタルライフやブランドライフを送り、仕事やプライベートをどのような価値観で捉えているのかを理解する必要があります。それによって、選ばれる商品やサービスも異なってくるからです。

藤田:日本では今、ようやくそのようなビッグデータを集めるプラットフォーム、DMPを企業がつくろうとするステージに来ています。まだ多くの企業では活用の段階には至っていませんが、でも、アメリカも似たような状況なのですね。

シュルツ:残念ながら、そうですね。アメリカのほうが進んでいるわけではなく、データをどうやって管理すべきかに皆が頭を悩ませています。

※次回は10月29日(水)に公開予定。