権限は自分から取りにいくもの

――実際に連携するミドル層には、どのような心構えが必要になりますか。

 本書のルールの3つ目に「権限の総量を増やす」というものがあります。先ほど申し上げたように、慮り体質が邪魔をして、多くのミドル層は自分の領域を超えてはいけないと自制しています。しかし、ミドル層はビジネスを動かさなければなりません。慮り体質から脱却を図り、自ら積極的に権限を取りにいくべきです。もちろん、大きな権限の裏には大きな責任がついてきます。

短期的には損をかぶるように見えても、長い目で見れば自分自身も組織も得をする。

 先ほどトップは「場」を作るべきだと申し上げました。逆に言えば、ミドル層はトップに場をつくってもらわなくても積極的に連携することが重要です。6つの原則の最初の1つは「従業員の行動を理解する」であり、トップがミドル層や若手の行動をよく観察するという意図の原則ですが、これをミドルの視点で読み替えてみてください。自分と同じ層が何を考え、どのような行動原理で動いているのかを知ることは、自らのキャパシティを広げる意味でも大切なことではないでしょうか。

 とはいえ「組織で越権行為をすると叩かれるし、責任を背負って失敗したら損をする」と考える人もいるでしょう。しかし損得は、現在だけでなく将来を見据えることで違ったものに見えてきます。組織の中だけでなく外に目を向けることでも、まったく異なる印象に変わります。マインドセットをそのように変えることができるかが分かれ目になります。

 トップにもミドル層にもチャレンジすべきことはあるにしても、意識すれば組織体制や制度をいじらなくても、組織を蘇らせることはできます。その際に重要なポイントは、たったの6つなのです。

【バックナンバー】
第1回:厳格な管理や懇親イベントでは組織の問題は解決できない
第2回:欧米企業はいまなぜ、企業内の信頼関係に注目するのか

 

【書籍のご案内】
『組織が動くシンプルな6つの原則』
部門の壁を越えて問題を解決する方法

現場に渦巻く感情、それぞれの事情・・・・個人個人が合理的に動いた結果、会社全体としては、目標や解決策から遠く離れてしまうことがある。部門の壁を超えたコラボレーションが必要といわれるが、現実はそう簡単ではない。もつれ合った複雑な関係をうまくマネジメントするには、シンプルな原則が必要だ。
46判並製、216ページ、定価(本体1600円+税)
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