2番目の実験では、仮説全体の検証を行った。非倫理的行為は「概日リズム」と「1日のどの時間帯か」の両方に左右される、という予測だ。新たな被験者たちを無作為に、朝早い時間(午前7時~8時30分)か夜遅い時間(午前0時~1時30分)のどちらかの実験セッションに割り当てた。そして非倫理的な行為を測るテストとして事前に設定した、サイコロを振る作業をしてもらった。被験者はサイコロを1度振って、出た数を我々に匿名で申告し、その数に応じて謝礼を受け取った(つまり、サイの目の数が大きいほど金額も大きい)。

 実際に出た目の数は不明であったものの、報告される数の平均値は3.5になるはずであることはわかっていた(3.5とは、1度サイコロを振った場合の数学的な期待値)。したがって、条件の異なる被験者の間で何らかの規則的な差異があれば(例:朝の実験での朝型vs朝の実験での夜型)、不正が示唆される。そして予想通り、統計的に有意で興味深いパターンが現れた。朝型の人が夜の実験で申告した数の平均(4.55)は、朝の実験の平均(3.86)よりも大きかった。そして夜型の人が朝の実験で申告した平均値(4.23)は、夜の実験(3.80)よりも大きかったのだ。この結果は、朝型の人は朝よりも夜のほうが非倫理的になり、夜型の人は夜よりも朝のほうが非倫理的になるという仮説と一致している(詳しい説明は、『サイコロジカル・サイエンス』誌に今年中に掲載予定の拙稿をご覧いただきたい)。

 

 これらの発見から、組織は次の教訓を得られる。人は自分のクロノタイプ(朝型/夜型/その中間)に適していない時間帯に意思決定を行うと、非倫理的な行動に走りやすいということだ。マネジャーは部下のクロノタイプを知るよう心がけ、それを尊重しながら仕事を組み立てるべきである。朝型の人に倫理観を試されるような判断を夜に下すよう求める、あるいは夜型の人にそのような判断を朝に求めるマネジャーは、非倫理的な行為を助長する危険を冒しているのだ。

 同様に、自分で仕事のスケジュールを管理する人は、みずからのクロノタイプを念頭に置いて仕事を組むべきである。時間を延長して仕事を続けたい時はだれしもある。しかし朝型の人が夜に時間を捻出すると、誘惑に抵抗しづらい状況をつくり出すことになる。夜型の人が早朝に頑張るのも、同じように問題なのだ。


HBR.ORG原文:Morning People Are Less Ethical at Night June 23, 2014

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クリストファー・M・バーンズ(Christopher M. Barnes)
ワシントン大学フォスター・スクール・オブ・ビジネス助教授。経営学を担当。米空軍研究所の疲労対策部門に勤務した経験を持つ。

ブライアン・グニア(Brian Gunia)
ジョンズ・ホプキンス大学キャリー・ビジネススクール助教授。経営学を担当。倫理学、交渉などを研究の対象としている。

スニタ・サー(Sunita Sah)
ジョージタウン大学マクドナー・スクール・オブ・ビジネス助教授。戦略・経済学・倫理学・公共政策を担当。ハーバード大学エシックス・センターのリサーチ・フェロー。組織不祥事、意思決定を研究の対象としている。