3.類似した業界を参考にする
 直接の競合会社ばかりを見ていては、時として判断を誤るおそれがある。隣接市場を見回してみよう。自社が自動車業界であれば、高度に規制された他の業界――厳しい規制環境にもかかわらず、積極的な市場テストを実践できているヘルスケアや金融などの企業――を参考にしてもいいだろう。

4.プロトタイピング自体をテストする
 これは簡単にいえば、プロトタイピングについて顧客と話すことを意味する。プロトタイプをただリリースするのではなく、コンセプトや試作品を顧客に示して、それらについて話し合うのだ。「実際の」製品ではないことを知らずにこれらのプロトタイプに出くわせばどう感じるかを、顧客に想像させる。顧客は新作を試すことに興奮するだろうか。一部の顧客は、新しい何かをつくる作業に関わりたいという気持ちから、粗さが残る未完成品を試すことに前向きとなるかもしれない。

 顧客の期待について基本的なことをしっかり把握したら、次は市場テストを計画する段階に入る。リスクを抑えるための最も有効かつ典型的な方法は、許容レベルの品質を達成するために投資額を増やすことだ。ただし増加分の支出が浪費ではなく確実に品質の改善につながるよう、万全を期す必要がある。また、品質を高める作業への投資よりも、顧客1人当たりに費やす投資を増やすことを検討しよう。自動化されたデジタルの法律サービスを例に取れば、最初に市場ニーズを検証するに当たり、デジタルサービスの向こう側では実際の弁護士たちが働いている。したがって、彼らへの投資を優先し、アルゴリズムと自動化への投資は後回しにしてよい。

 リスクを抑えるもう1つの効果的な策は、顧客体験における特定の瞬間のみに絞って実験をすることだ。初期の段階で、最も大きなビジネスリスクが露わになる瞬間だけに焦点を絞れば、開発要件を減らすことができ、顧客とプロトタイプとの接触時間も短縮できる。たとえばスナック製品に関しては、カギとなる瞬間の1つは消費者が製品を選ぶ時だ。この場合は、競合製品の陳列スペースに対して、プロトタイプの製品コンセプトが十分目立つように、忠実度(fidelity:最終的な完成品を反映している程度。本物らしさ)の高いパッケージを作成する。ただし中身は、レゴブロックをいっぱいに詰めるだけでいい(そうすればパッケージを通して、サクサクしたスナック菓子そっくりの音や感触が得られる)。ここでの検証対象はブランド・プロミス(ブランドが約束する価値)であって、顧客の支払い意欲や、実際の味がブランド・プロミスをどう満たしているかではない。そのため完全な体験を提供する必要はない。