自分のことを100%コントロールできていた

――ジェイン先生が来日されたときは、いつもお会いになっていると聞いています。そのときは、どんなお話をされるのですか? 

鳥山 そのときどきによって様々です。「日本ではどこの大学と組むのがいいと思うか」「インドのビジネスが実はすごい」「いま学界で流行っている○○は…」「本当はこういう教育が必要だ」「同窓会を活性化するためには…」など、いろいろですね。余談ですが、彼は非常にストイックなベジタリアンなので食事は大変です。東京でインド料理店に連れていったことがありましたが、要件を満たす店を見つけるのが一苦労でした(笑)。

――鳥山先生は、教育者としてのジェイン先生をどのように評価されていますか。

鳥山 教え方がとてもうまくて、しかも熱心です。解析的な頭脳の切れ味は抜群、記憶力もとてもいい。話をさせても、聴衆がどう受け止めているかをちゃんと心得ています。全員が興味を持つことを語り、人を惹き込むスキルを持つ人です。ジェイン先生は、ベスト・プロフェッサー・アワードのような賞を何度も受賞していますよ。

 人柄は非常に温かくて誠実、そして冷静です。でも、伝えなければいけないメッセージはきちんと伝えますし、そこに感情を乗せて話すこともできます。熱情型の講義をやる人にありがちな、「え?俺、今、なんでこんな話をしているんだっけ?」といったことは絶対にありません(笑)。自分がやっていること、話していることは100%コントロールできている人なのです。

 誠実さ、英語で言うとインテグリティ(Integrity)が彼の強みでもあります。ケロッグにはドン・ジェイコブスという、ケロッグをトップ10からナンバー・ワン・ビジネスス・クールまで引き上げたディーンがいました。彼は26年もディーンを務めていたため、後任を選ぶのは大変だったと思いますが、ジェイコブスはジェイン先生の誠実な人柄を高く評価して指名したと言われています。

 実は、ジェイン先生の誠実さは教義に基づくものです。彼は、インドのある地域では今でもかなりメジャーなジャイナ教という、仏教とほぼ同じ時代に出てきた宗教の信徒です。その教義は、正しい信仰、正しい知識、正しい行ない、相対的な判断などです。そして、殺生をしない。殺さなくてすむものは、虫一匹殺さない。彼のジェインという苗字も、菜食主義も、そこからきているのです。

次回更新は9月10日(水)を予定。

 

【編集部からのお知らせ】

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ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン 2014

日程:2014年 9月24日(水)10:00~18:45(予定)
       9月25日(木)9:30~17:40(予定)
会場:グランドプリンスホテル新高輪「北辰」
登壇:フィリップ・コトラー、デビッド・アーカー、アル・ライズ、ドン・シュルツ、高岡浩三(ネスレ日本代表取締役社長兼CEO)、新浪剛史(サントリー顧問 10月1日サントリーホールディングス株式会社CEO就任予定)、吉田忠裕(YKK代表取締役会長)、魚谷雅彦(資生堂代表取締役執行役員社長)ほか。
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