我々はさまざまな状況や業界でライブ・プロトタイピングを利用してきた。たとえば大手食品飲料メーカーや、中国のeコマース企業コーダイ(中国購物)のような新興企業の新ブランド開発に協力した。スチールケースからの依頼では、職場環境のソリューションに関する顧客の関心を測定した。セールスフォース・ドットコムのために、企業向けソフトのリリース前に予備調査も実施した。また、NBCの朝のワイドショー『トゥデイ』の生放送に集まる群衆を巻き込む方法を探ったこともある。

 もちろん、ライブ・プロトタイピングには長所と短所があるため、製品開発のツールに加える前にそれらを理解する必要がある。主な長所を以下に挙げる。

●資本を節約できる
 完全なパイロットよりも省略することで、パイロットほど資本投資をせずに市場への訴求力を評価できる。通常、パイロットを1回実施するのにかかる費用で、ライブ・プロトタイピングを数回繰り返すことが可能だ。

●文脈を考慮できる
 ライブ・プロトタイピングは文脈(コンテクスト)を設定して行うため、環境要因や状況要因がソリューションの訴求力や認知度にどう影響するかについて気づきを得られる。消費者が口頭で述べる意思ではなく、実際の行動を観察できるのだ。

●予測の精度を高める
 世に知られていないソリューションの売上げを予測することは、非常に困難である。そして消費者をどれほど取り込めるか予測する際には、恣意的な判断に陥りやすい。正式発表前のソリューションが競合品を相手に成功する様子を観察できれば、予測が当て推量に陥るリスクを大幅に軽減できる。

●定性的および定量的なフィードバックを得られる
 ライブ・プロトタイピングからはさまざまなタイプのフィードバックを得られる。そこには消費者行動データや、定性的な観察データ、そして消費者インタビューから得られる知見などが含まれ、選択や行動を解析する際に役立つ。これらのフィードバックを統合的にとらえることで、ソリューションをより効果的に反復できるようになる。