●事実のみを述べる
 問題となっている振る舞いを具体的に挙げ、それがあなたや他の同僚にどう影響を与えているかをわかりやすく説明しよう。「○○ということがあって、その結果、○○という影響が生じた」というように話をするのだ。「あなたが納期に間に合わなかったために、クライアントとの取引が危うくなった」「あなたが早く帰ったために、自分が遅くまで残業することになった」などだ。ただしあくまでも、建設的で前向きな会話を心がけよう。事前に別の誰かと会話をリハーサルし、言葉づかいや声の調子を確認することをコーエンは勧める。

●柔軟に対応する
 自分なりに最良だと思う解決法があったとしても、それに固執しないほうがよい。「相手と一緒にいくつかの方法を検討するのがよいでしょう」とデイビッドは言う。また、「自分は正しく、相手は間違っている」と白か黒かの二元論で考える衝動も抑えなければならない。デイビッドによれば、他者が間違っていると考えることは、実は自分自身を非常に消耗させる行為であるという。エネルギーを使うし、物事を解決する能力も妨げられるのだ。

●チャンスを与える
 1度話しても効果がない場合には、再度トライしてみよう。初回は率直さや具体性が足りなかったという可能性もある。「この間○○について話をして、あなたは○○をすると言った。そして、それが行なわれていない」ということを告げるのだ。「それを2~3回繰り返さなければならない場合もあります」とコーエンは言う。それでも振る舞いが改まらず、あなたの仕事に悪影響を及ぼし続ける場合には、上司に相談する。ただし、相手にそのことを事前に伝えるべきだとコーエンは言う。それがプロとしての礼儀であり、振る舞いを改めるようさらに促すことにもなる。事前の警告には効果がある、というのがコーエンの考えだ。

●上司とともに、慎重に対処する
 上司に対しても、怠惰な同僚の場合と同じようにアプローチしよう。つまり、共感と広い心を示し、具体的に説明し、対処法を柔軟に検討するのだ。手際よく状況に対処すれば、上司の評価も上がるだろう。だが失敗すれば、「組織に望ましくないと見なされ、前進するための"情動の敏捷性"(emotional agility:自分の思考や感情を、押し殺すのではなく生産的にコントロールする能力)に欠ける人物と見なされるようになります」とデイビッドは言う。したがって、柔軟な姿勢と、問題を解決しようという積極性を明確に示す必要がある。

覚えておくべき原則

【やるべきこと】
●柔軟な姿勢を保つ。同僚が仕事に打ち込んでいない背景には、あなたの知らない事情があるのかもしれない
●上司に話す前に、本人と話し合う
●同僚の振る舞いが皆の仕事にどう影響しているのか、具体的に示す

【やってはいけないこと】
●問題そのものにとらわれないこと。あなたの生産性に影響がないのであれば、あなたが正すべき問題ではない
●振る舞いを改めるチャンスを1度以上与えることなく、上司に告げてはならない
●非難するような口調は避けること。相手への関心を前面に押し出して対話する