デジタルの時代こそマーケティングの基本を学べ

――日本にはマーケティングの考え方が根付いてきたという実感はありますか。

神田 いや、まったくないですね。それは僕の功罪だとも思います。マーケティングという言葉は拡がったけど、本質的な理解がされているかというと、まったくされていないと思います。マーケティングが集客とイコールになってしまい、さらに調査とイコールになってしまった。とくにインターネットの世界ではそうですね。そうした意味では距離が生まれています。

 良し悪しではないと思いますよ。起業家にとってのマーケティングは、初めは集客でしょう。安価にできるネットを考えれば、ほとんどの場合はそうなって当然です。何も知らない中学生が、いきなり市場環境分析、公共環境分析、顧客とのロイヤリティー構築を考えるかというと、それはしませんよね。最初はそれでもいいと思います。ただ、マーケティングはそれだけではないことも知らなければいけません。

 オンラインの時代に育ったマーケターの活動は、表面的に滑る傾向があります。実態を失ってしまい、分析のために分析になってしまう。それでは、売上げを上げるというところまでもたどり着けないまま、終わってしまいます。

――コトラー教授がワールド・マーケティング・サミットで来日します。神田さんも登壇されますが、いま彼から何を学びたいですか。

神田 本はいつでも読めます。本物のレジェンドに会うことができて、一つの歴史を共有させてもらえることは本当に嬉しいです。僕が22歳で外務省に入って、そのときにお会いしたのが盛田昭夫さんでした。お会いしたといっても、15メートルくらい離れています。それでも、盛田さんが部屋に入ってきた途端「この人は何者なんだ!?」と思いました。当時、盛田さんの偉業はそれほど詳しく知りませんでしたが、オーラが違いました。一瞬でもいい、歴史的な人物を見るだけでも価値がある。そこから学ぶことはあるでしょう。

 

【編集部からのお知らせ】

9月24日・25日の二日間、世界中からマーケティングの巨星が結集!

ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン 2014

日程:2014年 9月24日(水)10:00~18:45(予定)
       9月25日(木)9:30~17:40(予定)
会場:グランドプリンスホテル新高輪「北辰」
登壇:フィリップ・コトラー、デビッド・アーカー、アル・ライズ、ドン・シュルツ、高岡浩三(ネスレ日本代表取締役社長兼CEO)、新浪剛史(サントリー顧問 10月1日サントリーホールディングス株式会社CEO就任予定)、吉田忠裕(YKK代表取締役会長)、魚谷雅彦(資生堂代表取締役執行役員社長)ほか。
申込:お申し込みはこちらから。
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詳細http://worldmarketingsummit.jp/