トップ自ら責任を持ち
女性の登用を推進できるか

2 タレント・マネジメントに責任を持つ覚悟はあるか

 これまで再三申し上げてきたことだが、あらためて強調したい。タレント・マネジメント施策を人事部が主導すると、どうしても公平性や全体感を重視してしまったり、効果が明確でない施策をイベント的に実施してしまいがちだ。経営トップ自らが責任を持ち主導することで、本気度が組織に伝わり大きなインパクトを生む。人材戦略は経営戦略と何ら変わりない。経営トップのいっそうの関与を求めたい。

3 ダイバーシティーを推進する覚悟はあるか

「ダイバーシティー」という言葉は、日本では主に女性の登用を指しているようだ。実際、日本は世界でも最も女性の登用が遅れている国の一つだ。

 コーン・フェリーが行った調査「ダイバーシティー・スコアカード2013」によると、日本企業における女性取締役の比率はわずか2%。調査を行ったアジア各国の中でも韓国と並ぶ低い水準だ(下の表参照)。

 

写真を拡大
出所:コーン・フェリー資料

 

 均質性の高い日本企業は、女性だけでなく人種、言語、宗教、民族など、ダイバーシティーを推進することで大きく伸びる余地がある。単に属性だけ多様化させればよいというわけではない。上の立場の人に自由に発言や提案できないような組織では、ダイバーシティーは効果を生まない。思考や価値観の多様性があり、それらを自由に発言できる組織環境が担保されること。つまり受容すること(Inclusion)が、ダイバーシティー経営の根幹である。

 女性登用に関していえば、先進国で最も少子高齢化が進んでおり、労働人口が減少する見込みの日本においては、労働力確保という観点からも早急に取り組むべき国家課的題である。日本の大手企業の経営陣は率先してダイバーシティーを推進してほしい。