私の時間投資法では、時間を限りある資源と考え、それを各個人が考える成功のあり方に見合う形で配分するよう推奨している。以下のような方法で、多くの現実的な効果が生まれる。

●「何に時間をかけないか」を決める
 時間には限りがあるため、本人の能力にかかわらず、やりたいことをすべて行うのは不可能だ。この真実をひとたび受け入れれば、ストレスや無力感が軽減される。たとえば仕事中は委員会への関わりを減らし、私生活では芝の手入れや家の補修などは誰かを雇って任せられるようになるだろう。

●戦略的に時間配分する
 仕事と私生活で適切な時間配分をするには、両方を分けて考え、それぞれにいつ、どのように時間を投資するかを決めよう。時間管理の専門家として、私は長時間労働を推奨しない。時間を仕事に投資しすぎると、運動や睡眠、人づきあいに十分な時間が取れなくなるからだ。

●時間配分をルーチン化する
 退職金口座で投資信託の自動積立をするように、1日や1週間のなかで行動をルーチン化すれば、自動的な時間投資ができる。たとえば職場では、大事なプロジェクトを進めるための時間を毎週2日、午後に確保しておく。私生活ではフィットネスクラブの集中コースに申し込み、週3回は通って汗を流さないと罪悪感を覚えるようにする、といった具合だ。

●長期スパンでバランスのよい時間配分を目指す
 変化の激しい生活で、常にバランスの取れた時間配分をするのは至難の業だが、長期スパンでならバランスを取れる。1~2週間単位で、優先順位に沿った時間投資をできるようにしよう。

 適切な時間配分ができるようになったら、次は活動の内容に応じてアプローチを変える必要がある。前述のように「オールA」を狙うやり方では、最も投資効率の高い活動に多くの時間を費やせなくなるからだ。そこで私は、完璧主義を脱却し時間配分の誤りを克服する「INOテクニック」を考案した。具体的には以下の通りである。

To Doリストの項目に取りかかる際、それぞれが「投資的な活動(Investment)」なのか、「ニュートラルな活動(Neutral)」なのか、「調整的な活動(Optimize)」なのかを考えよう。

 投資的な活動とは、多くの時間を費やすこと、仕事の質を上げることで、大きなリターンが得られる活動を指す。たとえば戦略立案はこれに該当する。パソコンやモバイル機器から離れて大切な人と過ごす時間も同様だ。これらの活動では、オールAを狙わねばならない。