①人材開発計画を個々にカスタマイズする
 新入社員向けのプログラムの場合、全員を一様に扱うことができる。参加者の大半が、同じスキルを等しく習得する必要があるためだ。かたや幹部候補生向けのプログラムの場合、全員に共通して求められる要素はあるものの、参加者ごとにカスタマイズされたアプローチでなければならない。個々人のニーズに見合った課題を綿密に計画するためだ。たとえば異文化での経験がない参加者には国際的な任務を与え、大規模なグループのマネジメントを学ばねばならない参加者には工場の作業現場での任務を与える、という具合だ。

②適切な「原石」を見極める
 プログラムへの参加に値する人材からは、前途有望な兆しがすでに見られるはずだ。魅力的な原石を見つけるために、通常の人材評価に加え、さらに掘り下げた査定や経歴照会が必要である。

③最上級の幹部がスポンサーとなり支援する
 GEでは8つの主要事業すべてにおいて、事業や職能のトップである上級幹部が、幹部候補生向けプログラムの責任者(スポンサー)に任命される。スポンサーの役目は、各事業部門から将来のリーダーにふさわしい候補者をプログラムに選出し、難しくやりがいのある課題を与えるよう尽力することだ。またスポンサーたちは、幹部候補生が実地で業務をこなす際、研修で学んだことが生かせるよう配慮する。こうした上級幹部のサポートにより、プログラムの参加者への注目と信頼が高まり、ひいては配属先のリーダーたちとよい関係を築けるのだ。

④能力開発につながる課題を与え、継続的な360度評価と綿密なコーチングを行う
 幹部候補生の成長につながる任務を与え、継続的なフィードバック(主に360度評価)を提供し、適切な行動様式を確立するためのコーチングを行う。これにより、プログラムは統合的かつ経験的な能力開発の機会となり、短期間での実践が可能となる。

⑤プログラムがすべてではない
 幹部候補生のなかには、プログラムが自分には向かないと考え、辞退する者もいる。当社ではこのことは全然問題にならない。辞退した者も、大切な人材として引き続き扱われる。また、プログラムを完了しても上級管理職には向かないと思われる者に対しても、スポンサーである上級幹部はその人が重要なポジションに昇格できるよう力を尽くす。そうすることで、この社員は違う方法でのキャリアアップを目指すことができるのだ。

 リーダーシップの向上に終わりはない。そのため、我々は常に意識的かつ計画的に人材開発に取り組まねばならない。世の中がいっそう複雑化するにつれ、企業は中堅社員の能力開発を計画的に、系統立てて行うべきだ。そうすれば能力があり、よく訓練され、やる気に満ちた優秀な人材を絶えず確保できるだろう。


HBR.ORG原文:How GE Trains More Experienced Employees May 16, 2014

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ラグー・クリシュナムーシー(Raghu Krishnamoorthy)
GEの幹部育成担当副社長兼チーフ・ラーニング・オフィサー