グローバル化しやすいものと
しにくいものとを分けて考える

――相互連鎖は地域間だけの話ではなさそうですね。

 もちろんです。広い意味でのグローバリゼーションの進展は、産業でも学問でも人々の生活においても、これまでまったく関係なかった者同士の間に相互連鎖を引き起こします。一つの分野だけを知っているだけでは物事の判断ができにくくなってきています。

 ただし分野によって濃淡はあります。事業や製品・サービスごとに相互連鎖の度合いは違います。グローバリゼーションといって何でもかんでも一律、一緒くたに考えることはできません。

――グローバル化しやすいものと、しにくいものがあるということですか。

 何もかもがグローバルになれる、あるいはなるわけではないということです。これはグローバリゼーションの流れを見れば明らかです。

――最初にグローバリゼーションの影響を受けた産業は何ですか。

 金融です。とはいえ、金融商品にもさまざまなものがありますから、ひとくくりで語ることはできません。グローバル化の影響を徹底的に受けているのはマネー。金や銀が紙幣となり、電子のパルスになった途端に国境を越えてどこへでも瞬時に飛んでいくようになりました。その意味では社債や国債などの債券も同じ傾向があります。

 では、株式はどうでしょう。株式は個別具体的であり、それぞれの企業が活動している国、地域、事業に特有のローカル情報が背後にあり、それを知るだけでなく、その企業業績に与える意味合いを具体的に理解しないままで売り買いの判断はできません。

 一方、不動産は個別具体的な面と抽象的な金融商品の面との両面を持っているというべきでしょう。証券化されればREITのように実物を見ることなく売買されますが、その裏にあるのはすべて異なる条件を持った具体的な土地・建物です。そして、多くの不動産物件は個別具体的な評価をされ売買されているのです。