3.フィードバックを日常化する
 研修やワークショップは、社員が未知のアイデアに触れたり、新たなコミュニケーションの取り方を練習したりするよい機会となる。しかし、翌日にはいつもと変わらない職場の現実へと戻ってしまう。ある行動様式を組織文化に根づかせるには、その行動をチームの日々のルーチンに組み込むことが必要だ。フィードバックが非日常的な機会にしか行われないようでは(たとえば業績評価や問題発生時)、それが文化として組織に根を下ろすことはない。フィードバックは日常的に起こるべきである――廊下ですれ違う時、会議の終わり際、あるいはコーヒーを飲みながら。

【フィードバックを日常化するには?】

●特別な機会を待たない
 私のメンターで慈善活動の専門家であるビンス・ステーリーがこう語ったことがある――「1つの城を築くのではなく、1000のテントを張ることが大切だ」。この教えはフィードバックにも当てはまる。複雑で面倒なプロセスにせず、数分(または一瞬)で行えるようにすべきだ。

●オープンな場で行う
 対話の内容によっては、1対1で話すのが最善となる時もある。しかし私たちは多くの場合、「フィードバックとは総じて当惑や恥をともなうものであり、人目につかないよう秘かに行うべき」と考えてしまう。しかし安心感とバランスが確保された職場では、深刻なフィードバックさえも大きなグループの中で行える。そうすることで、その場に参加している全員が議論から学べるうえに、フィードバックの効果的な与え方や受け方を知ることもできる。

4.リーダー自身が範を示す
 フィードバックの文化を促進したければ、リーダー自身が日々有言実行に努めなければならない。ハーバード・ビジネススクールのリン・ペインらの研究によれば、経営陣よりも従業員のほうが、会社が掲げる価値観と実際の慣行とのギャップに対してより敏感であるという(詳細はHBR2011年9月号"A Global Leader’s Guide to Managing Business Conduct"〈未訳〉)。つまり、部下はリーダーの背中を見て成すべきことを決めるのだ。リーダーがフィードバックに対するリスクを背負わなければ、部下もまた同様であるのは当然だ。

 ただし、リーダーは常にフィードバックをうまくやる必要があるというわけではない。リスクを取れば、それだけ失敗する可能性も高まる。大事なのは失敗を前向きに受け止め、貴重な学習の機会と捉えることだ。よりよいフィードバックに向けて常に努力していることを周囲に示し、どれほどできているか意見を求めよう。

【有言実行するには?】

●目標を周知させる
 同僚、上司、部下を含む職場の全員に、フィードバックの能力を伸ばすことが全社的な目標なのだと周知させる。

●リーダーが率先して、部下や同僚にフィードバックを求める
 座って待っているだけでは、フィードバックはやって来ない。リーダーの立場であればなおさらだ。フィードバックを職場の文化に定着させるには、自ら率先してそれを求める必要がある。


HBR.ORG原文:Building a Feedback-Rich Culture December 24, 2013

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エド・バティスタ(Ed Batista)
エグゼクティブ・コーチとしてリーダーの能力開発を支援し、スタンフォード大学経営大学院の講師も務める。