ステップ2:キャリアを俯瞰し、掘り下げる
 ステップ1の図を土台に、自分の人生を掘り下げる人類学者となろう。どこか静かな所へ行って、自分の人生とキャリアについて戦略を練る時間を設けるといいだろう。

 そして次の問いを自問してみよう。自分が本当に幸せに感じたのはいつで、それはなぜか。どんな活動やテーマに、自分はいつも立ち戻ってきたか。自分を引きつけるものは何か。仕事を無理なく、スムーズにできるのはどんな時か。自分のためにならないことは何か。最も自分らしくいられるのはどんな時か。仕事にやりがいを感じなかったのはいつで、それはなぜか。やりがいを感じたのはいつで、それはなぜか。これらを自問するプロセスは、急いで済ませてはならない。十分に時間をとって、心の声に耳を傾けてほしい。後になって振り返れるように、答えが出たら書き留めておこう。

ステップ3:「世界を素晴らしい場所にするために、自分は何を生み出したいのか」を自問する
 これは少し大それた問いのように思えるかもしれない。しかしポイントは、将来何を生み出したいかを考え、明確に述べることだ。

 次の問いを自問してみよう。自分が何でもできるとしたら、何をするだろうか。すべての仕事の報酬が同じだとしたら、自分は何をするだろうか。キャリアのなかで何か1つだけ達成できるとしたら、それは何か。自分が本当に、心から望むことは何か――。これらもまた、深淵な問いである。だが私の経験からすると、人は目の前の仕事のことで頭を悩ませて過ごす時間が圧倒的に長い。自分のキャリアについて、そして独自のやり方で世界に貢献する方法について、ビジョンを描く時間がないのだ。背中を押してほしい人は、キッド・プレジデントの3分間の動画を見るとよい。この「子ども大統領」は、世界をよくするために何ができるかを見出すよう、私たちに訴えてくれる。(訳注:キッド・プレジデントとは、骨形成不全症を患うロビー・ノバクという少年が、世界をよくするさまざまなアイデアを動画で語るメディアプロジェクト。)

 何年も前、私はこのようなプロセスに従ってキャリアを見つめ直し、大げさではなく人生が変わった。その時に得た気づきによって、私はロースクールを辞め、イギリスを出てアメリカに移住し、教師兼著述家としての道を歩み始めた。あなたがいまこのブログを読んでいるのはその結果だ。当時の決断は、私の人生で最も重要で戦略的なキャリア上の選択となった。

 これは単純なプロセスだが、いくつもの複雑な問いを分解して考えるうえで役に立つ。それは詩人メアリー・オリバーの、美しく心から離れない質問と同じだ。「教えてください、あなたは激しくてかけがえのない1度限りの人生で、何をするつもりですか」


HBR.ORG原文:What Will You Create to Make the World Awesome? March 26, 2013

■こちらの記事もおすすめします
DeNA起業に参加したのは 南場さんと川田さんと珍道中を楽しみたかったから(Quipper渡辺雅之さんインタビュー)
エバーノート日本法人会長 外村仁氏に聞く「フィル・リービンの入社面接はお寿司屋さんだったそうです」
アメリカ人恩師の言葉がキャリアの転機に 偏差値38の高校生が世界で活躍するまで(ミニット・アジア・パシフィック社長 迫俊亮さんインタビュー)

 

グレッグ・マキューン(Greg McKeown)
シリコンバレーでリーダーシップと戦略のアドバイスを行うTHIS Inc.のCEO。2012年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された。著書にはEssentialism: The Disciplined Pursuit of LessおよびMultipliers: How the Best Leaders Make Everyone Smarterがあり、ともにベストセラー。