スタンフォード大学に、コンピュータ技術と人間の行動様式との関わりを研究する機関がある(Persuasive Technology Lab)。ベンはそこでの取り組みの1つ、世界平和を目指すピース・イノベーションと協力して「平和のためのFacebook」を立ち上げることを思いついた。このサイトでは、「50年以内に世界平和を実現できると思いますか?」という質問に対し世界中から意見が寄せられる(ちなみに、この問いに対してアメリカ人は他国の人々よりはるかに悲観的である。サイトのグラフを参照)。これは、ベンがみずからの使命をキャリアに取り入れた多くの方法の1つにすぎなかった。

 2012年にベンはフェイスブックを辞め、エンリケ・アレンと共同でデザイナーズ・ファンドを設立した(エンリケは、シリコンバレーで起業を支援するシード・ファンド兼アクセラレーター、500スタートアップスの創設チームの一員でもある)。デザイナーズ・ファンドが投資するのは、社会によい影響を及ぼすことを組織のミッションに取り入れている、デザイナー主導の新興企業だ。その「影響」は、本業と独立した添え物的な取り組みであってはならない――一部の企業の弁解がましい基金が時としてそうであるように。

 ちなみにデザイナーズ・ファンドの魅力的な投資先には、たとえば次の企業がある。地域コミュニティの問題解決のためのプラットフォームを提供するネイバーランド、電力が行き届いていない地域にプリペイド方式でソーラーライトを提供するアンガザ・デザイン、太陽エネルギーシステムへの投資を集め、安価なクリーンエネルギーの普及を目指すソーラー・モザイク、子どもの創造力、学習、アイデアの共有を促進するデジタル・コンテンツを提供するランチパッド・トイズ

 私がベンの例を引き合いに出したのは、キャリアを漫然とではなく確たる意図の下に歩んでいる人物を紹介したかったからだ。私たちの誰でも、そうすることができる。自分の仕事、自分が費やしている多くの時間は、結局のところ何につながるのか? あなたの人生で、そう自問する時期があるはずだ。そんな時には、あなたにとって何が一番重要なのかを再評価するプロセスが必要だ。私は以下をお勧めしたい。

ステップ1:キャリアを図に表してみる
 私たちはしばしば、仕事の奔流に押し流されて自分を見失う。毎日を生きることに必死となるあまり、立ち止まって人生について十分に考えようとはしない。戦略的に生きているのではなく、ただ反応しているだけだ。自分がこんな状態に陥っていると気づいたら、私は以下の簡単なツールを使ってより広い視野を得ることにしている。横軸の左側がキャリアのスタートで、右側が今日現在だ。働いていた場所、取り組んできたこと、その他あなたの経験を形づくった要素を書き込もう。その経験が満足できるものであれば上のほうに、そうでない場合は下のほうに記入して線で結ぶ。すると以下のようなものができあがる。