向こうからやってくる案件にただ対処しているのは、他人に身を委ねているのと同じだ。CEOと経営幹部は受け身でいてはならない。リーダーはすべての行動においてインパクトを与えることが務めであり、大きく考えることが仕事だ。もしも会議の話題が上記4つの範疇から外れるのであれば、それらはもっと下のマネジメント層の管轄である。

 CEOと昼食を取りながら、私は経営陣が焦点を当てるべき4点について伝えた。そして一番重要な問題は、チームがどのように協力し合うかであるという点で合意した。言い換えれば、彼らが協力していないことが問題だったのだ。このことは、ずいぶん前から議論されてこなかった。

 会議が再開されると、スライドのプロジェクターは撤去されていた。最初のうち、参加者は落ち着かないように見えた。プレゼンの準備に投じてきた労力はどうなる? スライドの陰に隠れて感じていた安心感は?

「君たちの頭脳にはとてつもない価値があるのだから、座ってプレゼンを聴いている場合じゃない」とCEOは言った。「共に考えなくてはならないんだ」。そして場に一石を投じた。「さあ、お互いの顔を見てみよう。うまくいっていないのは誰と誰かな? それについて話してみよう」

 沈黙が漂う。CEOがぎこちなさを追い払おうとしなかったのは、立派だった。彼はボールを投げた。それをつかんで走るのは、幹部たちの役目だ。

 永遠にも感じられる時間が過ぎ、1人が口を開いた。参加者の誰もがとうにわかっていながら、決して口にしようとはしなかったこと――彼と別の幹部との不仲――に言及した。

 その後の3時間は、活気あふれる真摯な議論が続いた。意見が激しく対立する場面も見られたが、誰1人として机の下でeメールをチェックする者はいなかった。


HBR.ORG原文:Four Areas Where Senior Leaders Should Focus Their Attention September 3, 2013

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ピーター・ブレグマン(Peter Bregman)
CEOおよびリーダーにアドバイスを行う戦略コンサルタント。最新刊は『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則』(日本経済新聞出版社)。