1.大きな変化をもたらす意思決定
 合併や買収、新しい製品・サービス、組織再編について話し合うべき時に、経費報告書の説明にエネルギーを浪費してはならない。段階的な改善は、経営幹部よりも下のレベルでのマネジメント事項である。私のクライアントで、10億ドルの収益を上げている某企業のCEOは、ゼロの数を基準にしている。「我々は、50万ドルの案件について話しているのか、それとも500万ドルかな?」ゼロの数が足りないなら、その意思決定事項は戦略的に最重要ではなく、幹部の時間をムダにすべきではない。経営陣は数字の増分ではなくファンダメンタルズに焦点を当てるべきである。

2.大きな矢
 自社を1本の大きな矢だと考えよう。そこには個々のプロジェクトや事業、取引、クライアントなど、いくつもの小さな矢が含まれている。大きな矢は、自社の文化、戦略的方向性、コア・コンピタンス、核となる理念で形成される。この大きな矢を担うのがCEOと幹部チームだ。ところが、社員は部門間に壁を築き、内輪で言い争い、もっと大きな使命には無頓着なため、小さな矢はてんでばらばらな方向に向かいがちだ。したがって幹部は、壁を破壊し、全社員が戦略と文化に沿って連携できるよう判断し行動しなければならない。そうすれば、どの矢も同じ方向に向かわせることができるだろう。

3.次世代のリーダーシップ
 ほとんどの幹部にとってきわめて重要な役割の1つは、前途有望なリーダーと関わり、彼らのリーダーシップと意思決定力を育成することである。これこそ企業の成長の秘訣だ。将来のリーダーシップについて話し合うこと、後継者の育成計画の策定、意思決定や戦略に関する議論にそれらのリーダーを巻き込むこと――こうした努力が大きな見返りをもたらす。

4.議論されてこなかったこと
 誰も言及しようとしない事柄を話し合うことは、ほぼ確実に自社のパフォーマンスの改善につながる。それは他の幹部について、あるいは特定部門の業績に関することかもしれない。CEOのリーダーシップのあり方、あるいは経営陣の間でCEOへの信頼が失われているという問題かもしれない。それが何であれ、重要なのに議論されていないという単純な事実は、それだけで組織の後退を示す確たる兆候である。