適切な言い方をするには、以下に示す方法を参考にしてほしい。

1.「でも」ではなく「そして」を使う
 反対を表明する必要が生じたら、意見を「加える」ように話をしよう。自分の正しさを証明するために、相手の間違いを明らかにする必要はない。驚くような発言をした相手を、言い負かそうとしてはならない。あなたにとっての現実を、そこに加えればよいのだ。「顧客向けのイベントに備えて予算をとっておく必要がある、というのがあなたの考えですね。そして私は、そのお金は社員教育に必要だと思っています。どうすべきでしょうか?」こう言えば他のメンバーを問題解決に参加させることになり、おのずと争いではなく協力が生まれる。

2.仮定を使う
 自分の意見に反対された時は、真正面から対抗しないことだ。否定の応酬は精神上にもよろしくない。そこで役に立つのは、仮定の話を投げかけて相手の想像を促すことだ(想像は固執の反対なので、型にはまった考えから抜け出せる)。自分の提案が反論を招いているなら、こう質問して別のシナリオを想像させよう。「あなたがこのキャンペーンに反対する理由は、優秀な営業担当者を揃えなければ成功しない、と考えているからだね。ならば、仮にそういう営業部員を選べたら、どんなキャンペーンになるかな?」

3.影響について尋ねる
 また、自由回答を促すオープンエンド型の質問も効果的だ。提案されているアクションに対して疑問がある時は、実行した場合に生じる影響についてメンバーに考えさせよう。「この商品はアメリカの顧客だけに販売するという話だけど、中南米の大口顧客2社はどう反応するかな?」。この言い方のほうが「中南米の顧客は怒るに違いない」と言うよりはるかに控えめだ。多様なアイデアを歓迎する姿勢、そして最良の方法に対する好奇心を示せば、議論を活性化できる(そのうえ、いい人としての評判も維持できる)。

4.問題の背景を明らかにする
 チーム内の対立が手に負えなくなるのは往々にして、両者が共通の認識の上に立っていないからだ。提案された行動計画に反対の立場なら、それについて文句を言うのではなく、まずはその案が出された背景を理解する努力をしよう。その理由がわかれば、同じ目的を達成する別の方法が見つかるかもしれない。「個人の売上実績を組織全体に公表する、という提案に驚いているのですが、それでどんな目的が達成されるか教えてもらえませんか」。1人のメンバーが他の選択肢を考慮せず、その実行による影響も十分に検討せずに問題を解決しようとすると、対立が起こりやすい。相手が解決しようとしている問題の重要性が納得できれば、共通の土台に立って答えを探すことができる。

5.助けを求める
「よい対立」を生む別の方法は、適度に下手に出て、理解不足を自分のせいにすることだ。心からの驚きに直面した時(たとえば、信じられないほどばかげた提案など)には、この言い方をしよう。「ちょっとわからないのですが。これでどうやって第1四半期の売上げの未達が解決されるのか、教えてもらえませんか」。もし相手の言い分が筋の通らないものであれば、純粋に自分が理解するための質問を投げ続けよう。そうすれば他のメンバーに、計画の方向性を見直す機会がもたらされるだろう。

 気まずくても、違う意見を表明すること――この対立はチームがうまく機能するために不可欠だ。チームにおける考え方の多様性は、革新と成長を生む源となる。それはリスクを明らかにして減らす方法でもある。対立を避けて通ろうとしている自分に気づいたら、上記のテクニックのうちどれかを使ってみよう。少しはやりやすくなるはずだ。

 そうでなければ、自分の懸念を口にせず、チームから離れた場所で文句をこぼし、次第に信頼を失い評価を下げていくかもしれない。それは「いい人」がやることではまったくない。


HBR.ORG原文:Conflict Strategies for Nice People December 25, 2013

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リアン・デイビー(Liane Davey)
人材コンサルティングを提供するナイツブリッジ・ヒューマン・キャピタルのバイス・プレジデント。チーム・マネジメントを担当。