リスクに怯えないで、考えながら走る

――迫さんによるマーケティングやブランディングの施策は成功しましたか。

 もちろん、それ自体にプラスがあったことは確かです。ただ、そのときに気づいたことは、結局、うちはサービス業であるということです。どれだけお客さまがお店に来てくれても、店舗でお客さまの需要にあったサービスがなければ売上になりません。そのとき、営業も改革しなければダメだ、とあらためて気づかされて、2014年の1月に営業本部長になりました。マーケティングやブランディングだけではない、店舗営業も含めたすべての営業の統括です。

――営業本部長に就任されてからは、どんなことを変えていきましたか。

 これまでは、とりあえず全店で導入してみて最後は失敗、ということがほとんどでした。私の場合、いろいろ調べるよりも、ある程度いけるなと思ったらまずは小さくやってみます。βバージョンでテストしてみて、やりながらチューニングするのが一番早い。ずっと考えていたらリスクしか浮かんでこないので、足が止まってしまいます。考えながら走る、が私のやり方だと思います。

 たとえば、私が営業本部長になってから「靴磨きサービス」を導入しています。現場を回っているとき、サービスとして靴磨きをやっていた社員を見て「これはイケる」と本社に提案しました。これには最初、社内からの反対もありました。「本当に需要はあるの?」「靴を汚してクレームが起こったらどうするの?」「業務を増やして、オペレーションが回らなくなったら問題だ」……とにかくリスク、リスク、リスクで見てしまうんです。

 そのときは、「まずは小さく10店舗でやってみましょう。それなら問題が起こっても大丈夫ですよね」と提案して始めました。1月に営業本部長に就任して、2月にはトライアルを実施して成果が上がったため、3月1日には全店に導入。それまで2ヵ月もかかっていませんが、社内の納得感を醸成しながら段階を上げることも、新しいことをやるうえで大事だと思います。

*次回は5月29日(木)公開予定。