(5)To Doリストに「いつ」「どこで」を加える

 あなたはTo Doリストを使っているだろうか(カレンダーで予定やタスクの欄を使っているなら、答えはイエスである)。そしてリストの項目を1つとして消化できないままに、1日、1週間、あるいはもっと長い時間が経ってしまうことはないだろうか。

 これはストレスになるはずだ。必要なのは、自分がやると決めたことをタイミングよく実行する方法だ。そこで、「条件付けによる計画(if-then planning)」(心理学者が「実行意図」と呼んでいるもの)を実践してみよう。

 この方法は非常に有効で、さまざまな目標達成の役に立つ。ダイエットや運動から交渉、時間管理まで200近い研究によって、次のことが明らかになっている。作業を行う場所と時間をあらかじめ決めておくと、実際にそれを遂行できる可能性が2~3倍も高まるのだ(たとえば「4時になったら、今日中に返事をすべき電話をかける」)。

 したがって、To Doリストに予定を書き込む時は、「いつ」「どこで」を必ず加えること。たとえば「ボブに電話」なら、「火曜のランチが終わり次第ボブに電話」と書いておく。これで条件付けがなされ、あなたの脳は無意識に環境のスキャニングを始め、条件(いつ)を待ち受けるようになる。たとえ他の仕事で忙殺されていても、大事なタイミングをとらえて電話を実行できるのだ。

 To Doリストの予定を線で消すことほど、ストレスを減らしてくれるものはない。

(6)条件付けによって、自分自身にポジティブな効果を与える

 条件付けによる計画でストレスに対処する、もう1つの方法がある。ストレスの原因ではなく、ストレスを生む経験そのものに意識を向けることだ。

 最近の研究によれば、恐怖、悲しみ、疲労、自信喪失、嫌悪感などを感じる状況において、自分の情緒反応をコントロールするうえで条件付けが役に立つ(関連論文)。

 ストレスを感じそうな時に自分がどう反応したいかを決めておくだけでよい。血圧が上がりそうな状況と、望ましい反応をあらかじめ結びつけておくのだ。たとえば、「受信トレイにメールがたくさん届いていたら、落ち着いてリラックスする」とか、「納期が近づいたら、冷静になる」という具合だ。

(7)仕事を「完璧さ」ではなく「進歩」で捉える

 私たちは自分の目標に向かっていく時に、2つの考え方のうちどちらか一方を持っている。

 1つは「能力の証明」思考と私が呼んでいるもので、自分が有能でありやるべきことを心得ていると証明することに重点を置く。もう1つは「能力の向上」思考で、自分の能力を高め新しいスキルを身につけることに重点を置く。自分が優れていることを示したいのか、もっと優れたいのかの違いである(関連論文)。

 能力の証明を考えていると、最初からすべてを完璧にできなくては気が済まず、いつも(しばしば無意識に)自分と他人を比べてしまう(関連論文)。自分を偉大に見せたいからだ。

 物事がうまくいかないとすぐに自分の能力を疑い始め、ストレスや不安に苛まれるようになる。皮肉なことに、自分の能力に不安があると最終的に失敗してしまう可能性がはるかに大きくなるのだ。

 一方、能力の向上を考えていれば、比べる対象は自分であり、進歩に関心が向く。いまの自分は昨日の、先月の、昨年の自分と比べてどの程度向上しているだろうか、と考えるのだ。

 学びと向上の観点から自分の行動を考え、その過程で間違いを犯す可能性を受け入れると、ストレスが大幅に減り、障害にぶつかってもモチベーションを維持できる。