会社や経営というのは、もともと簡単なもの

――カルビーは「儲かる会社」「高業績組織」へと大きく変わりました。経営で一番大事なことは何なのでしょうか?

 やっぱり約束と結果責任でしょう。世の中は、そこから始まるべきなんです。私はこれをやります、と。できないことをコミットする必要はない。でも、コミットしたら達成する。そういう文化をつくらなければなりません。あとは、簡素化、透明化、分権化ですね。なのに日本の組織の多くは、複雑にして、みんな隠して、権限委譲をしない。

 分権化は、トップが自分から始めるのが一番です。会社は上に行くほど、権限をたくさん持つ。しかし、持っていたって、何もいいことない。実は会長兼CEOの私には、権限は何もないんです。かつてCEOが持っていた権限は全部COOに渡しました。COOはそれを部下に渡した。権限を持てば、義務と責任も伴います。責任を持たされるということは、やはり、やりがいなんです。そのほうがやる気になるし、成長もする。だからあえて任せてしまう。

 会社や経営というのは、もともと簡単なものなんです。それをみんなで寄ってたかって複雑怪奇にしてしまった。私は複雑なことはよくわからない。だから、簡単なことをやる。でも、簡単なことでも、実行するのは難しいですからね。利益が2年前の2倍になったといっても、1兆円儲かったわけではない。でも、その可能性をこの会社は持っている。だから、いくらでもよくしようとすれば、できるんです。

 カルビーはもともと力があって、それを発揮できていなかっただけ。問題点は1つ2つで、そこを直すだけだった。私に言わせれば当たり前で、自慢することでもない。でも、こういう会社は、日本にはまだまだたくさんあると思いますよ。

(了)

 

【連載バックナンバー】
第1回:カルビーはどうやって儲かる会社に変わったか