また、プロセスから「価値」を共有することで、すべての部門の担当者にとってこの新商品開発は他人ごとではなく、自身の重要ミッションとなります。そのため、このケースのようにプロダクトにチューニングが必要になったときにも、その価値を軸に「自らのミッションを全力で遂行」しようとします。開発部門や製造部門がストックしている技術やアイデアを、価値を最大化させる最適な形で組み込むことができる「仕組み」なのです。

 これは、経営組織論では当たり前のことであっても、マーケティングという側面からみると忘れられがちなポイントかもしれません。

「絵に描いた餅」にならないオペレーションの「仕組み」

 前回解説した通り、マーケティング・ストーリーを設計する上では、消費者だけではなく、4つのステークホルダーの視点(「消費者」「メディア」「ソーシャル」「流通」)で検証し、各ステークホルダーがwin‐winの関係を結ぶように描くことが必要です。そして、このマーケティング・ストーリーをオペレーションするためには、社外の各ステークホルダーと実際に対峙している、社内の各部門の担当者と価値を共有し、全社でマーケティング活動を行うことが必要なのです。

 逆にいえば、社外のステークホルダーのインサイトを探って作り上げたマーケティング・ストーリーは、組織横断型のプロジェクトを推進するための基本設計図としても機能するのです。

 次回はブルーオーシャンの見出し方について解説します。

*次回は4月28日(月)公開予定。

 

【連載バックナンバー】
第1回 売れ続けるために必要なのは、マーケティング・ストーリー
第2回 消費者の「欲しい」と「買う」には大きな隔たりがある
第3回 マーケティング・ストーリーをつくるには、競合も巻き込め