4つのインサイトを基にストーリーを精緻化させる

 消費者にモノやサービスの情報が届くまでには、多くのステークホルダーが介在し、彼らの多様なインサイトが存在しています。

 私が代表を務めるインテグレートではマーケティング・ストーリーを描くために、情報クリエイティブというメソッドを使って、ステークホルダーのインサイトを探索します。特に、「消費者」「メディア」「ソーシャル」「流通」の4つのインサイトを重視して調査を行います。

 まずメディアインサイトについて説明します。新聞、テレビ、ウェブ媒体などの「メディア」は、伝えるべき文脈・メッセージを〝世の中ごと化〞させる発信力をもっています。

 広告が以前ほどには効果を発揮しづらい今の情報環境においては、メディアでいかにその製品自体を真正面から取り上げてもらえるかも、ますます重要になっています。中立性を重んじるメディアのインサイトを把握し、情報露出を図り、ソーシャルメディアでの波及につなげていけるかを考える必要があります。

 つぎに、世の中の動向や、各領域の専門家、有識者たちの意向、見解をつかむ「ソーシャルインサイト」も重要になります。「ソーシャルインサイト」とは社会の潮流を方向づけていく学術的知見であり、将来の社会のあり方から逆算して、今取り組まなければならない社会的課題を明示したものと言えます。

 そして、中でも重要なのが実際に売り場を作っている「流通」のインサイトです。

 流通のバイヤー達は、消費者の潜在ニーズを掘り起こせる売り場づくりを絶えず考えています。また、バイヤーは世の中がどのようなトレンドになっているかいつも気になっています。  

 主要な流通チャネルにどうすれば本気で「この商品を売ろう」という気持ちになってもらうことができるか?を営業担当者と議論しながら考えるのがマーケターにとってもっとも大事な役割の1つです。

「消費者」「メディア」「ソーシャル」「流通」の4つのステークホルダーの視点で、企業から発するメッセージを検証していきます。これらの4つのインサイトを基に、各ステークホルダーがwin‐winの関係を結ぶことができるマーケティング・ストーリーを描きます。