「ここにしかないもの」が最大の強み

――貴社の場合1つの製品をどれくらいの期間で、どのような仕組みで製作するのでしょうか。

 開発から製品が世に出るまでの期間ですが、製品の難易度によってまちまちです。複雑なものだと10~12カ月、シンプルなものだと6カ月くらいで販売まで至ります。

Cerevo DASHというクラウドファンディングのサイトも運営しているのですが、そこには自社の企画のなかでも、尖っており、売れるかどうかの判断がつかないものを載せるようにしています。弊社の製品はどれも尖ったものばかりですが、その中でも売れるかどうかの見極めが難しいものを掲載し、ある一定の支持が集まれば量産するようになっています。

 最初から一定数の需要が見込める製品は、初めからクラウドファンディングに載せずに、独自の開発リソースで製作してしまいます。クラウドファンディングに載せると、製品が発売される半年から10カ月前に製品の全貌がわかってしまう。そうすると他社に対策を取られることも考えられるので、製品の特性を見て、製品化までの方法は分けています。

――開発は何人くらいの規模で行っているのでしょうか。

 製品の企画から量産までを4人で回すようにしています。これは特別優秀なチームだからできているのではなく、モジュールなどを利用した、時代に合わせたやり方をしているから可能です。自分たちがイレギュラーな存在だとは思っていません。

 私たちの方法はすごくシンプルで、1製品あたり数千万円で作って、1~2億円売って、トータルで1製品1億円利益を出せましたという方向を狙っています。100製品作れば100億円の利益が出るわけですから。1製品で100億、1000億だというところは狙いません。そこを狙ってしまうと競合が増えてしまいます。簡単にコピーは出来ないけれど、ニッチな需要に応じて違うものをたくさん作って利益を出していこうとしています。

――いまや23か国以上と取引があるとのことですが、それだけ多くの国と取引をするとなると、コストもかかると思うのですが。

 ドミニカ共和国やベネズエラでも販売していますが、その国の雑誌広告の枠を買うというようなマーケティングをしている訳ではありません。基本的に口コミと国際展示会に出展して、英語のメディアに「作ったのは日本のCerevoです」と伝えることで販路を増やしています。私たちの製品はニッチですが、世界中のある一部の層が欲しいと思うような、他にないものを作ります。弊社の製品は類似品がないため話題になりやすいのです。そういった情報を聞きつけて、世界各地のディストリビューターが発注を掛けてくださるのです。ここにしかないものを生み出せば多少は強気に出ることもできます。

 現状の受注数で満足しているとは言えず、まだ知られていないことが大半なのですが、現状は展示会と口コミで情報が広まり、世界各地からの連絡を待つ状態ですので、コストはそれほど問題ではありません。

 後編に続く(次回は14日公開予定です)