このように、たった3件のデータのビジュアル化により、いわゆるバイラリティ(クチコミの効果)について重要なニュアンスを理解することができた。ネット上のクチコミと記事へのアクセスの関係は、「バイラル現象」の一言ですべてを説明できるほど単純なものではない。コンテンツの種類によって、異なるパターンが出現するのだ。

 とはいえ、ビジュアルがすべてを伝えるということではない。いくつかの明確な相関関係はたしかに見られる。しかしクチコミの影響について信頼性のある真の洞察を生みだすには、複雑な条件付き依存関係や、時間的な自己相関およびネットワーク自己相関をふまえ、因果関係を説明する精緻な統計モデルを構築する必要がある。

 それでもこれらのビジュアルは、データのどこを見て、どのような問いをすればよいかを知るうえで役に立つ。より複雑なモデルを構築するには、最適な構築場所を知る必要があるが、ビジュアルはそのためのヒントとなるのだ。

 カスケード2.0は、最新のアナリティクスに基づいて構築されるが、それにはデータのビジュアル化が必要になる。ビッグデータを効果的かつ効率的に利用するには、重要な問いかけをして、不要な問いを避けることが不可欠だ。ビジュアル化なしでは、有用な解を得るための問いを見つける効率が格段に落ちる。だからこそ、データのビジュアル化はデータ・サイエンティストにとって最も重要なツールの1つでなければならない。それは深くて暗い森の中を照らす明かりなのだ。

(原注:本記事のビジュアル化図表は、ニューヨークタイムズ研究開発室のクリエイティブ・テクノロジストであるニコラ・ハンゼルマンによる。)


HBR.ORG原文:To Go from Big Data to Big Insight, Start with a Visual August 27, 2013

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シナン・アラル(Sinan Aral)
マサチューセッツ工科大学スローン・スクール・オブ・マネジメント准教授。ITとマーケティングを担当。ニューヨークタイムズ研究開発室の常勤研究員。