消費者はどんな欲求を満たそうとしているのか

 企業(商品)の側から考えると、どうしたら商品を買ってもらえるかといった、プロダクトアウトの思考で考えがちですが、消費者にはモノを買いたいという欲求の前に、「生活欲求」があります。

 たとえば、私はたまにコンビニのおにぎりを買うのですが、それはコンビニのおにぎりを食べたいからではありません。急いで小腹を満たしたいからです。まず、「小腹を満たしたい」というニーズがあって、消費者はこうした生活欲求を満たすために、ある人はコンビニのおにぎりを、またある人はインスタント食品を、ある人は近くのカフェでサンドイッチを食べようとするのでしょう。

 全国で約5万店あるコンビニエンスストアでは、「おにぎり」をはじめとする、すぐに食べられる食品が「中食」という市場をつくり、その店舗数の拡大は、少なからず従来からあったインスタント食品市場に影響を与えているはずです。ファストフード店がデフレ下で低価格戦略に走れば、またインスタント食品、コンビニエンスストアの敵が増えていきます。つまり、「コンビニおにぎり」のカテゴリではなく、そのカテゴリを選択する前の段階、ここで言えば「小腹を満たす」という消費者のニーズを満たすことをマーケティングの課題ととらえることが必要だということです。

 マーケティングは同じカテゴリの競合商品と戦うことだけではありません。マーケットインの発想で、消費者の生活全体に照らし「消費者はどんな欲求を満たそうとしているのか」ということを考えてみましょう。