コトラーが提示したマーケティングを革新する6つの役割

 そんな折、マーケティングの大家、ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授が昨年に引き続き来日、「フィリップ・コトラーマーケティング・フォーラム」が開かれました。テーマは「イノベーションで勝つ」。次のマーケティングの打ち手を求めて、600名もの参加者が詰めかけ大盛況だったようです。facebookやweb記事でも、熱いフォーラムの様子が伝わってきました。

 私の知人でもある事業構想大学院大学江端浩人教授の記事(宣伝会議「アドバタイムズ」)にもありますが、コトラー教授は、著書『コトラーのイノベーション・マーケティング』(翔泳社)で、イノベーションの実践にあたって、以下の6つの役割をそのプロセスに組み入れることが重要だと指摘しています。

 A: Activators アクティベーター
  ・物事を始める人たち、イノベーションの音頭取り(Initiation)の役割。
 B: Browsers ブラウザー
  ・情報収集(Information)、調査、検証をする役割。
 C: Creators クリエーター
  ・情報に基づき今までにない新しいアイデア(Ideation)を提供する役割。
 D: Developers ディベロッパー
  ・アイデアを検証し、実行可能な発明や計画に落としてゆく(Invention)役割。
 E: Executors エクセキューター
  ・実施計画に基づき、着実に実行する(Implement)役割。
 F: Financiers ファイナンサー
  ・計画を財務面よりサポート、投資効果(ROI)を検証する役割。

※事業構想大学院大学江端浩人教授の記事(宣伝会議「アドバタイムズ」)より

 コトラー教授が示唆する通り、今後、日本企業が進むべき道はイノベーションにより新しい需要を創造する以外にないでしょう。

 しかし、技術革新によって画期的な商品を開発することだけがイノベーションではありません。マーケティングオペレーションの革新、つまりは市場ニーズを汲み取り、消費者が欲しいと思う製品を開発し、その製品の存在を広告やPR、販促というコミュニケーション戦略によって伝えることで需要を喚起して販売するという、一連のオペレーションが統合的に行われる仕組みを構築することが、イノベーションを可能にするのだと私は考えています。