現地を見て触発されるエンジニアたち

――具体的に日本企業からは、どのように相談を持ちかけられることが多いのでしょうか。

 R&D部門や開発の中枢部から、その企業の10年後20年後の未来を担う長期課題を持って来られる場合もありますし、まさに立案中の事業計画の可能性について相談される場合もあります。新規事業開発の研究所から、「今どんなニーズがあるんですか」と漠然と聞かれる場合もあります。一緒に現地を回ってワークショップをして開発に関わることもありますし、場合によっては市場テストを提案することもあります。

 いずれにしても、エンジニア、つまりモノをつくっている人が、実際にモノを売る現地に直接行くのが効果的だと思います。つまり、一番話が分かる人が、一番話をしたい人に会いに行く、ということです。技術とセールスが合同チームで来る場合もあります。これまではマーケティング部門が調査に訪れ、そのリポートをエンジニアが後方で参考にして試案を練ることが多かったのではないでしょうか。それは会社の仕組みであって、決して、エンジニア自身が現地に出たくなかったからではないのだと思います。

 というのは、ときどき不思議なメールをいただくのです。最初はGメールなどのフリーメールから、どの企業とも言わずに、「実は僕たち…会社の業務と関係ないんですけど、コペルニクにすごく興味あるんです」といった感じでコンタクトがあるのです。そこで我々のセミナーやワークショップに参加いただいたり、何度かお会いしたりしていくうちに、「実は、○○という会社の者なのですが、今度、うちの部署で勉強会を開いてくれませんか」と。聞いてみれば、誰もがよく知る会社だったりします。

 そうして何度か会社にお邪魔するうちに、上司の方やプロジェクトの関係者の方々が巻き込まれてきて、国内で何度かテストをしているうちに、「やっぱり現地行かないと」という議論になり、会社から予算がつく。そんなケースも時々あります。

 実際に現地に企業のみなさんをお連れすると、こちらが驚くぐらいに目が輝き出すんです。現地の人と話をして、状況を見ると、「うちにこんな技術があるから役立つのではないか」とひらめく。みなさん、自社の技術についてはよくご存じですから。そうしたシーンに立ち会うたびに、モノをつくっている人、エンジニアの方々の純粋さや、日本企業の潜在的な可能性を感じます。