多くの破壊的ビジネスがそうであるように(かつてクリステンセンが典型例として挙げた、小規模の製鉄所を考えてみよう)、アワリーナードは小企業をターゲットとすることで、コンサルティング業界に裏口から参入している。それらのクライアントにとって、アワリーナードは天からの恵みとなる。コンサルタントの力を借りたいが、従来型のコンサルティング会社が課すような高額な料金は払えないからだ。たとえ料金を払えたとしても、それらの小企業がボストン コンサルティング グループやベイン・アンド・カンパニーのような大手コンサルティング会社のパートナーたちから関心を持たれることはないだろう。彼らは最大手のクライアントに焦点を絞っており、小企業のセグメントは喜んで他のどこかに譲る。したがって、アワリーナードの競争相手は非消費、つまりクライアントがサービスを受けないことである。

 また、MBAの学生が、資金力のある従来型のコンサルティング・チームに引けをとらない深く広範な分析・助言を提供できなくとも、問題とはならない。クライアントにとって「必要十分」(good enough)な仕事をしているからだ。彼らを雇わなければ、クライアントは人材か時間、またはその両方がないために、課題を解決できないことが多い。ある意味、小規模なクライアントの要望によりうまく応えられるのは、一般的なコンサルティング会社よりもむしろアワリーナードのほうであるとさえいえる。柔軟性があり、オンラインのプラットフォームも使いやすいため、コンサルタントを雇うプロセスがわかりやすいし広く開放されているからだ。

 同社は最近メディアで取り上げられることも多いが、必ずしも新規のアイデアというわけではない。たとえば、マッキンゼー出身の2人が立ち上げた、エデン・マッカラムというイギリスのコンサルティング会社がある。同社では、フリーランスのコンサルタントをあらかじめ選んでおり(全員が一流コンサルティング会社の出身)、必要に応じて人員を集め小規模なプロジェクトチームを編成し、クライアントである大企業にサービスを提供する。アメリカにも、同様の例としてビジネス・タレント・グループという企業があり、プロジェクトチームに元企業幹部だった人を組み込む。両社とも非常に成功しており、既存のコンサルティング会社とますます競い合うようになっている。実際、エデン・マッカラムのクライアントには、テスコやグラクソ・スミスクライン、ロイズなどが名を連ねる。それでも、同社が2000年に創設された時にターゲットとしていたのは、アワリーナードと同様に新興企業や小規模企業だった。

 時が経つに連れ、アワリーナードも他の業界の破壊的企業と同様に、より大きなクライアントを求めて市場の上流へと移行し、より多くの利益を望むようになるのだろうか。競合のような従来型のコスト構造を持たずに破壊的なビジネスモデルを拡大できるよう、「拡張可能な中核能力」を獲得するのだろうか。成長のペースに追いつこうと、採用対象のビジネススクールを増やすのだろうか。それによって、ブランド力や価値提案を弱めてしまわないだろうか。これらはすべて、アワリーナードの創設者たちが考えるべき重要なポイントである。しかし現在のところ、彼らは第一次資金調達の成功を祝いたいであろう――そして言うまでもなく、ビジネススクールでの2年目に向け準備もしなければならない。


HBR.ORG原文:Revenge of the HourlyNerds September 18, 2013

■こちらの記事もおすすめします
ダイヤ販売の破壊者ブルーナイルに、ティファニーはどう対処すべきか
イノベーションで「難易度」はプラスにならない

 

ディナ・ワン(Dina Wang)
マッキンゼー・アンド・カンパニーのエンゲージメント・マネジャー。元ハーバード・ビジネススクールのフェロー。