7. 意志の力を鍛える

 自分をコントロールする「意志力」は筋肉と同じで、使わないと弱くなる。定期的に鍛えれば、意志の力は次第に強くなり、目標の達成を助けてくれる。

 意志の力を高めるには、「正直にいえば、気が進まない」ことにチャレンジしてみるとよい。高脂肪のスナック菓子をやめる、毎日腹筋を100回する、猫背になっているのに気づいた時に背筋を伸ばす、新しいスキルを学ぶ、などだ。

 音を上げそうになったり、諦めたくなったり、こんなチャレンジなんか意味がないと感じたりしても、踏ん張ること。まずは1つのことだけに取り組んでみるとよい。そして、問題が起きたらどのように対処するか計画しておこう(「スナック菓子がどうしても食べたくなったら、何か果物を1つ、あるいはドライフルーツを3切れ食べよう」など)。

 最初は辛いが、少しずつ楽になってくる――ここがポイントだ。意志の力が強くなれば、挑戦の機会を広げ自己コントロールの訓練をより高度なものにできるだろう。

 8. 無茶をしない

 意志の力をどんなに鍛えたとしても、限界があることはわきまえておきたい。あまりに負担をかけすぎると息切れしてしまうからだ。1度に2つ以上のことに挑戦するのはなるべくやめたほうがよい(禁煙とダイエットを同時にやる、など)。

 また、危険に近づくことも避けよう。誘惑に打ち勝つ能力を過信している人は案外多く、みずから誘惑がはびこる状況に身を置いてしまうのだ。成功する人々は、すでに険しい道をさらに困難にするようなことはしない。

 9.「何をしてはいけないか」ではなく、「何をすべきか」を考える

 減量したい、禁煙したい、怒りっぽいところを直したいといった希望があるなら、悪癖そのものだけに注意を向けるのはやめたほうがよい――悪い習慣を、何か別の行動に置き換えることを考えるのだ。

 思考抑制に関する研究によれば、何かを考えないようにすると、逆に頭にこびりついて離れなくなってしまう(例:「シロクマのことは考えるな!」)。態度や行動についても同じことがいえる。悪い癖や習慣をやめようとすると、それがなくなるどころか、逆にひどくなってしまうのだ。

 自分の行動を変えたければ、「その代わりに何をしようか?」と考えてみよう。たとえば、自制心を高めてキレやすい自分を変えたいと思っているのなら、こんな方法を取るといいかもしれない――「怒りを感じ始めたら、3回深呼吸して気を静めよう」。怒りを深呼吸という行動に置き換えることで、悪い癖は次第に薄れていき、やがてまったく消え去ってしまうだろう。

 以上の9つの秘訣を読まれた読者諸氏は、自身がこれまで達成してきた物事から、改めて洞察を引き出してほしい。さらに重要なのは、これまで挫折を招いた自分の過ちを見極め、その教訓を目標達成に活かすことだ。

 覚えておいていただきたい――成功を収めるために、別人になる必要はないのだ。肝心なのは、あなたが「どういう人間なのか」ではなく、「何をするか」である。


HBR.org原文:Nine Things Successful People Do Differently, February 25, 2011.

■こちらの記事もおすすめします
幸せを得るには、「小さな成功」を積み重ねること
意志力や自制心は長続きしない