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イギリス発の高級ファッション通販サイト「NET A PORTER」。ネットでは高級品は売れないという通説を覆す成長を遂げ、2011年にはメンズ版の「MR PORTER」もローンチした。

 カルティエやクロエを擁するリシュモン・グループが2010年、イギリスの高級ファッションサイト「NET A PORTER(ネッタポルテ)」を買収したように、これまでオンライン販売に及び腰だったラグジュアリーブランドも積極的に参入するようになった結果、飛躍的な成長を遂げたのです。

 日本でもオンライン販売が拡大し、2013年度の市場規模はスーパーや百貨店を大きく上回る約16兆円にも膨らんでいます(MM総研調べ)。これが欧州のように高級品市場にまで広がっていくのも、時間の問題といえそうです。

 生活者の意識の変化やeコマースの拡大といった現状に、リアルな店舗を中心とする小売業はどのように対応していくのか。昨年3月に開業以来初となる新宿店のリニューアルを行ったスペシャリティストア「バーニーズ ジャパン」の上田谷真一社長に話を聞きました。

セール以外の値引き禁止、インポートブランドの強化という逆張り戦略

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上田谷真一氏:バーニーズ ジャパン代表取締役社長。大前・アンド・アソシエーツ・グループの設立に参画した後、黒田電気の役員を経て、2006年からはディズニーストアを運営するリテイルネットワークス代表取締役社長、2009年にはクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン代表取締役社長を歴任。2012年4月より現職。

 「弊社でもオンラインチャンネルの売り上げはかなり伸びています。ウェブがバーニーズにとっても重要な位置を占めているのは間違いないのですが、リアルな店舗と合わせて使ってくれる方の利用率がもっとも高いですね。バーニーズのお客さまはただモノを買うだけでなく、リアルな店舗でしか得られないショッピングの楽しさ、つまり、ワクワクするエンターテインメント性も求めているのだと感じています」

 そう語る上田谷社長は、2012年4月に同社トップに就任したばかり。過去にはディズニーストアやクリスピー・クリーム・ドーナツの日本法人代表を務めた異色の経歴を持つ人物です。就任早々に着手したリニューアルは、リーマン・ショック後に苦戦していたラグジュアリー消費に、再びエンターテインメント性を取り戻すことに注力しました。

 「もともとバーニーズは旬のブランドから老舗まで、独自の視点で選び抜いた品ぞろえとコーディネートの提案に強みがあり、それがお客さまから支持されていた部分だったはずです。しかしリーマン・ショック以降は、どこでも売っている安価な商品の比率を増やしたり、値引きやポイントアップを定期的に行ったりと、無難な方向に走りがちでした。そこでリニューアルにあたっては原点に立ち返り、『バーニーズ ニューヨーク』というブランドの再構築を目指したのです」(上田谷社長)