仲間を引きつけ、その力を増幅させる
真のリーダーシップ

2

●メンター(Mentor)
 権限を抱え込むのではなく、権限を与える人。20世紀初頭のマネジメント研究の先駆者であるメアリー・パーカー・フォレットと同じように、「リーダーの主たる仕事は、より多くのリーダーを生むことだ」と考えている人。この目的を達成するために、彼らはコーチングと指導に努め、課題を与え、励ますのである。

●コネクター(Connector)
 アイデアと人とをうまく結びつける、「組み合わせの妙」を見抜く才能を持つ人。スポンサーを紹介したり、同じ志を持つ人どうしをつないだり、互いを補い合うリソースを見出したりして、他者が夢をかなえるのを後押しする。

●果敢に開拓する人(Bushwhackers)
 官僚主義と闘いながら、新たなアイデアや行動計画のために、荒野に道を切り開く人。物事を正しい方法で行うことよりも、正しいことを行うことに重点を置く。

●信念を貫く人(Guardians)
 核となる理念を忠実に守り、その時々の事情や都合に流されない人。高次の目的をぶれずに追い求めるその姿勢は、他の人々がみずからの信じることを追求する動機づけとなり、励ましとなる。

●市民としての意識を持つ人(Citizens)
 真の活動家であり、「より多くの人に、より多くのよいことを行う」という不変の信念を基に、勇気をもって現状に挑戦する。自己中心的ではなく、他者を中心に物事を考える人。

 上記の役割はいずれも、最も優れ称賛されるべき人的資質に分かちがたく根ざしている――情熱、好奇心、共感、勇気、寛大さ、責任感、そして不屈の精神だ。仲間を引きつけて成果を増幅させるのは、こうした資質だ。そしてこれらが21世紀のリーダーシップに求められるDNAである。これらの資質を強化することによってのみ、どの組織にも存在する潜在的なリーダーシップ能力を十分に活用できるのだ。

 そこで、我々「マネジメント・イノベーション・エクスチェンジ」(MIX:新時代のマネジメントを再発見するためのオープン参加型プロジェクト)は、HBRおよびマッキンゼー・アンド・カンパニーとの共催によるコンテスト、「リーダーズ・エブリウェア・チャレンジ」を立ち上げた。あらゆる場面でリーダーシップを引き出すために、あなたの組織で取り組んでいることを教えてほしい。階層型の権力構造の限界を、どのように克服しているだろうか。どの階層・部門にいてもリーダーシップ能力を発揮できるようにするために、どんな工夫をしているだろうか。官僚的なマネジメントの終焉後に出現する組織では、皆が従いたいと思うリーダー候補をどう育成していくべきだろうか。(訳注:このチャレンジは2013年8月に終了。結果の詳細はこちら。)


HBR.ORG原文:How to Lead When You're Not in Charge May 24, 2013

■こちらの記事もおすすめします
マネジメントの25の課題
リーダーは背後から指揮をとり、「集合天才」を活用せよ
あなたの会社のリーダーは、次世代のリーダーを教育しているか
「青臭さ」で社会を変えるリーダーになる

 

ゲイリー・ハメル(Gary Hamel)
ロンドン・ビジネススクール客員教授(戦略論、国際マネジメント)。マネジメントの進化を目指す非営利研究機関、マネジメント・ラボのディレクター。新時代のマネジメントを再発見するオープン参加型プロジェクト、マネジメント・イノベーション・エクスチェンジ(MiX)の共同創設者。C.K.プラハラッドとの共著『コア・コンピタンス経営』(日本経済新聞出版社)が注目を集める。他に『経営の未来』(日本経済新聞出版社)、『経営は何をすべきか』(ダイヤモンド社)など。

ポリー・ラバール(Polly LaBarre)
マネジメント・イノベーション・エクスチェンジ(MiX)のエディトリアル・ディレクター。
 

 

今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー