●ヒント1:異文化出身のチームメンバーが直面する課題について、意識を高める
 多文化チームで働く誰もが最初にできることは、文化の出身者が抱える課題に、もっと意識を向けることだ。また、ジンのような人々が直面しうる心理的な難題を正しくとらえることである。また、自文化の視点から離れて相手の振る舞いを解釈するよう心がけること。たとえばジンの場合、チームミーティングで活発に発言しないからといって、チームプレーヤーでないとは限らない。むしろ最高のチームプレーヤーになろうと最善を尽くしている表れかもしれない――ただし、中国流のやり方で。

●ヒント2:チームの規範を明確にする
 チーム内で効果的なコミュニケーションを行うための基準や目標について、あえて議論されることはめったにない。しかし異文化が交わる状況では、この話し合いは不可欠である。メンバーはさまざまに異なる基準をチームに持ち込み、それらは互いに対立する可能性があるからだ。規範を明確にすると同時に、誰が苦労しそうかを、各々の生まれ育った文化や職歴、性格などを基に認識しておこう。

●ヒント3:心理的に安全で受容的なチーム環境をつくるよう尽力する
 チーム内に「心理的に安全だ」という雰囲気をつくり出そう。ジンのような人は多文化チームの環境では、激しいプレッシャーを感じ他者の目を気にしてしまうものだ。他の異文化出身者が「うまくやっている」ように見える場合には、とりわけそうである。したがって、悪戦苦闘しているメンバーを置き去りにしないよう、周囲がフォローする必要がある。つまり、全員にとって受容的で支援的な雰囲気をつくり出すということだ。そのような雰囲気がなければ、本来は貴重な戦力となるのに言葉や文化的規範で苦労しているジンのような人材を失うことにもなりかねない。

●ヒント4:スキル開発に時間とリソースを割く
 チームメンバーの語学力と文化的スキルを開発し強化する方法を探す。今日のビジネス環境における多国籍チームの多くは、基本的に西洋文化を主体とし、英語を使う。しかしこれでは、ジンのようなメンバーが全面的に関与することは難しい。文化的なスキルと語学を身につける機会を、全員に与えるように努めよう。これはチームにとって、そしてジンのような人が将来的に他のチームや状況に移る時にも、有益となるだろう。

 チームリーダーはこうした条件を整えれば、有能で受容的な多文化チームの構築に向けて順調に進んでいけるだろう。


HBR.ORG原文:Leveling the Playing Field on Cross-Cultural Teams April 11, 2012

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アンドリュー・L・モリンスキー(Andy Molinsky)
ブランダイス大学インターナショナル・ビジネススクールの准教授。担当は組織行動学。心理学部准教授も兼務。