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スイスの高級腕時計ブランドであるジラール・ペルゴが、東北のものづくり精神に共鳴して立ち上げたウェブメディア。短期的な支援でなく、メディアを通じた継続的なバックアップを目的としている。

 この「東北マニュファクチュール・ストーリー」は、被災地におけるものづくりの現状や、そこに込められた作り手の想いをアーカイブしていくウェブメディアとして、2013年2月22日に開設されました。その目的は、被災地で生まれた商品にまつわる物語を伝え、実際の消費につなげていくこと。

 そんな「東北マニュファクチュール・ストーリー」では、「モノ」と「物語」を一緒にウェブ上で伝えることで、これまであまり注目されてこなかった東北の中小企業や職人に人々の目を向けさせることに成功しています。すでに東京では掲載された商品の販売会なども行われており、単なるウェブメディアを超えた展開を見せ始めています。

 ちなみにジラール・ペルゴは、企画から製造までの工程を一貫して自社で手がける「マニュファクチュール・ブランド」と呼ばれています。サイト名はそんなジラール・ペルゴのブランドアイデンティティが、東北におけるものづくり職人の姿勢と根底のところでつながっていることを表しているのです。

 「企業と生活者におけるコミュニケーションを考えるうえで、物語を通じた社会貢献はもっとも強いエンゲージメントのあり方ではないかと思います」と、並河氏は“恋愛”と“結婚”の違いを例に語ります。

 「数ヶ月だけ付き合うような恋愛なら、見た目がカッコいいだけでそれなりに満足するかもしれません。しかし、一生一緒にいることを前提とした結婚となれば、その人が誠実であるかどうかを確かめたくなりますよね。ラグジュアリーブランドにステータスではなく信頼を求める今どきの生活者は、ブランドとは一時的な“恋愛”ではなく、一生を通じて愛せる“結婚”をしたいと考えているんでしょう。でもこれは、そのブランドが誠実であると伝われば、簡単に崩れない絆を人々と結ぶことになることも意味しています」(並河氏)