●アンカリング(係留)
・人は数字に影響されやすい(たとえ裏づけのないものでも)。その影響を正すべき時にも、そうしない。数字を無視すべき時でも、数字に引っ張られる。
・質問の内容によって特定の情報に注意が向く。それに合致しない情報は無視したり、見落としたりする。

●フレーミング(枠付け)
・状況がどう提示されるかが、意思決定に影響する。
・一般的に、失うことの痛みのほうが、勝ち取ることの喜びよりも大きい。したがって、人は利益に対してはリスク回避の傾向がある一方で、さらなる損失を避けるためにはリスクを取る。

●利用可能性ヒューリスティック
・鮮烈で、想起しやすく、珍しい事象が頭の中で大きな割合を占める。
・過去の事象より最近の事象のほうを、不相応に高く評価する。

●確証バイアス
・最初に下した決定にとらわれ、それを裏付ける証拠ばかりを探し、都合の悪い情報は無視する。

●立場固定
・ある意思決定や経営資源の投入が、必ずしもリターンをもたらすとは限らず損失を生む可能性があっても、それをやめられない。サンクコスト(埋没費用)を受け入れるのが困難な状態。

●後知恵バイアス
・あることを知ると、それ以前にはどう考えていたかを忘れてしまう。
・このバイアスにより、過去の失敗から学ぶことが難しくなる。

 このようなバイアスによる影響を、最小化しなければならない。これらはどんなリスク/リワード管理のシナリオにも入り込む可能性がある。それを防ぐためには、シナリオ作成のすべての段階――前提の設定から、選択肢および付随する検討事項の提示まで――において細心の注意を払う必要がある。人は情報の形式に影響され、またそれによって影響を及ぼす。