P&Gは情報をどうビジュアル化しているか

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 デスクトップでの表示に加え、P&Gは「ビジネス・スフィア」と呼ばれる会議スペースを50以上の拠点に設け、集団での検討や意思決定のためにマネジメント情報が表示されるようにした。その多くは長方形の会議室の壁一面に大きなスクリーンを据え付けたものだが、なかにはシンシナティの本社にある会議室(写真)のように、実際に球形をしているものもある。

 世界中のP&Gのマネジャーたちはこのような会議室に集まり、同社の情報・意思決定ソリューションを担当するチームのアナリストたちが、〈スポットファイアー〉によるビジュアルを用いて、その話し合いをサポートしている。

 これらのビジュアル表示には、なかなかクールなものもある。私が特に好きなのは、たとえば「ヒートマップ」だ(下図参照)。これはP&G製品の各地の市場における位置づけを示すものだ。これらのビジュアル表示の目的は、その洗練度合いや独創性でマネジャーたちを驚嘆させることではない。その事業で何が起きているかをひとめで理解し、意思決定しやすくすることである。P&GのCIO(最高IT責任者)フィリポ・パッセリーニは、それを「whatだけでなく、whyそしてhowに至ること」と呼んでいる。意思決定者がデータを見た時、重要な分野で何が起きたのか(what)を把握するのに時間を取られれば、その原因(why)と対処法(how)に行き着かないかもしれない。優れたビジュアル表示は常に例外管理に焦点を当て、マネジメント上の注意が最も必要とされるポイントを明らかにする。

 上記のヒートマップを例にとってみよう。これは欧州のP&Gに関する典型的なマップで、同社の製品が販売されているすべての市場と、各製品の相対的なシェアを示している(赤は市場占有率が低く、緑は高いことを意味する)。同時に、各市場におけるシェア拡大の重要度合いを明白に示している。P&GのITディレクターであり、最近までビジネス・アナリティクスを担当していたガイ・ペリーは、このような視点がなぜ役に立つのかを説明している。

今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー