「何が好き?」というビッグデータからトレンドを読み解く

 NOWNESSの特徴に、各コンテンツには「Love/Don’t Love」というレコメンド機能がついています。動画を観た後にソーシャルメディアで友人に薦めたいと思ったら「Love」のボタンをクリックするという具合です。

 しかも、この機能はサイトにログインしておくことでカスタマイズされていきます。レコメンドや閲覧の履歴を学習し、ユーザーの好みに応じたコンテンツを「My NOWNESS」として自動的にセレクトしてくれるようになるのです。

 企業側から見たとき、この機能が持つ意味は決して小さくはありません。サーバーに蓄積されたこのビッグデータを分析すれば、生活者の動向に関するかなり詳細な資料になるからです。NOWNESSを訪れるような感度の高いユーザーが、今、どんなコンテンツを面白いと思っているのか。その傾向がかなり具体的に浮かび上がってきます。

 それをLVMH傘下の各ブランドにどれだけ反映させているのかは推測の域を出ませんが、トレンド産業であるラグジュアリーブランドにとって、ユーザーの趣味嗜好のデータは非常に貴重な情報であることは間違いないでしょう。

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NOWNESSは2012年に英語圏以外の国に初進出。それはラグジュアリー市場の成長著しい中国でのローンチだった

 ここで最初の問いに戻りましょう。LVMHにとって、NOWNESSの役割とは何か。それは最先端のアートやライフスタイルを起点として、将来の顧客を育てるという意味でも、現在進行形のビジネスにおいても、多数のブランドを抱えるLVMHというコングロマリットのデジタルコミュニケーションにおけるハブになることです。

 2012年には中国進出も果たしたNOWNESS。LVMHという巨大な王者は、オンライン空間においてもイノベイターであり続けようとしています。