●相手の視点をとらえる
 チーム内もしくはチーム間で一緒に仕事をする人々の、価値観・行動の枠組み、つまり背景を理解するよう努めること。意見が食い違った時に、これがきわめて重要になる。相手の視点を深く理解していれば、たいていは生産的な解決に至ることができる。しかも当事者全員が、自分の案が採用されてもされなくても、話を聞いてもらえたと感じる。さらなるメリットとして、そこでの解決策は往々にして誰か1人が持ち込んだ案にはならず、あなたが醸成した対話的な環境の中で新たに生まれたアプローチとなる。積極的な傾聴と、(攻撃的ではなく謙虚に)突っ込んだ質問は、チームに活気を与えコンセンサスへと導き、より斬新で優れた解決策に到達する後押しをする。

 ベライゾンの会長兼CEOへと上り詰めた、アイバン・サイデンバーグの例を見てみよう。まだ事業部のマネジャーだった頃、彼はコスト削減の必要性を感じた。ところが事業部のオペレーション部門から、プロセスの複雑さを考えると無理だと突っぱねられた。サイデンバーグは彼らの考え方を理解した。つまり、プロセスを単純化できればコスト削減には賛成だが、それには製品部門の協力が必要である、と。そこで、両部門が協力できる態勢をつくったところ、当初よりはるかによい解決策が見つかった。コストを削減できただけでなく、オペレーションの合理化が実現したのだ。

●真摯に意見を請う
 GEが「ナンバー1・ナンバー2戦略」(市場で1位か2位になれる事業しかやらない)を掲げ、いくつかの事業で高収益とともにその目標を達成した時、当時のCEOジャック・ウェルチはある課題に直面した。すなわち、成長をどう持続させるかである。そこで彼は、GEのクロトンビル研修所に意見を求め、真摯に耳を傾けた。そしてこう提言を受けた。もしGEがその池で一番大きな魚になったのならば、その池を狭く捉えすぎている。顧客のニーズに対する解釈の幅を広げて、市場を再定義すべきだ――。

 そしてウェルチは、次の戦略会議の準備をする各事業部門長に向けて、GEのシェアが10%未満になるように市場を定義し直すよう指示した。これがマネジャーたちを奮起させ、事業成長のための新しい発想を促した。アイデアの1つに、GE全体でサービス事業を成長させるというものがあった。現在、同社のサービス事業の案件は2000億ドルに上る。