あるマネジャーは、真のチームが持つこれらの特徴に気づき、「神秘的な新しい力」と呼んでいた。別のマネジャーは、部下がチームの一員として自分自身より大きな何かへの帰属意識を感じている時、いかにチームと仕事に献身的になるのかを知り、嬉しい驚きを覚えていた。

 これらのマネジャーは、部下を集団として管理すること、つまりチームを築き、チームであることを利用してマネジメントを行うことの有効性を、実感していった。そしてチームの目標と価値観を通してパフォーマンスを高めるやり方を、ますます重宝するようになった。そのほうが個人の行動に対してずっと効果的に影響を及ぼせるからだ。人は誰もが重要な任務につきたいと願うものだが、同時に、社会的な生き物でもある。チームに帰属し受け入れられることも欲しているのだ。

 したがって、真のチームをつくり上げ率いる能力は、きわめて重要なマネジメントのスキルであるのは当然といえる。直属の部下で構成される常設チームであれ、特定の問題や機会に取り組む、各地に分散した多様な背景の人々から成る一時的なバーチャルチームであれ、それは変わらない。

 あなたは、「我々」という本物の一体感で結ばれた真のチームを築いているだろうか。そうでないならば、何が足りないのかを理解するために、自分自身とメンバーに次の問いを投げかけてみるとよい。

1.自分たちは、価値とやりがいのある目的を持ち、その達成に向けて責任を共有しているだろうか。自分がどの業務を担当すべきかだけでなく、その業務が誰のためになるのかを理解しているか。もし自分たちが今日いなくなったら、明日の世の中は変わってしまうと信じているか。

2.その目的に沿った明確な目標を追求しているか。目標を達成するための計画は整っているか。

3.チーム全体のやり方、そして各自の役割と責任を、全員が理解しているか。業務プロセスは明確だろうか。互いに求めること、および互いへの接し方について、価値観と信念を共有しているか。チームおよび各メンバーの現状を、全員が把握しているか。

 最後に(逆説的ではあるが)、各メンバーの個人としての存在も無視してはならない。人は集団への帰属を望む一方で、自分にしかできない貢献を認めてもらいたいと願う生き物である。チームという枠組みから外れない範囲で、各メンバーに個人として接し理解しよう。


HBR.ORG原文:Turn Your Group into a True Team June 28, 2011

 

リンダ・A・ヒル(Linda A. Hill)
ハーバード・ビジネススクールのウォーレス・ブレット・ドナム記念講座教授。経営管理論を担当。主な著書にBeing the Boss: The 3 Imperatives for Becoming a Great Leader(邦訳『ハーバード流ボス養成講座 優れたリーダーの3要素』日本経済新聞出版社)がある。

ケント・ラインバック(Kent Lineback)
著述家。リンダ・ヒルとの共著Being the Boss: The 3 Imperatives for Becoming a Great Leader(邦訳『ハーバード流ボス養成講座 優れたリーダーの3要素』日本経済新聞出版社)がある。