4.中国は、「C9」(トップ9大学、中国版アイビーリーグにあたる)強化の取り組みを継続し、主要キャンパスに対し10億ドル以上の新規投資を行うだろう。一流教授陣をひきつけ、最先端施設を建設し、トップレベルの学生を集めるために資金が投じられる。知性、教育、技能をめぐるグローバル競争に、中国も本格参戦することになろう。

5.トップレベルの官僚300人が習の改革と新プログラムの下に結束し、中央政府を支援すると同時に、自らの膝下の省政府においても並行して成長目標を設定する。改革や成長加速のための詳細計画が策定され、中国全土で迅速に実行されるだろう。今年も、3級、4級都市の市場が1級、2級都市よりも急速な成長を遂げるだろう。

6.中国は、手頃な価格の住宅の供給拡大や、医療へのアクセス改善についても近々発表すると見られる。7万5000ドル程度の住宅がまだ7500万戸ほど不足しており、政府は2014年にこれに着手する。これらの投資の結果、住宅供給やサービスが改善すれば、平均的な消費者が貯蓄を減らして消費に回すようになると考えられる。また、長寿と生産的雇用の長期化にもつながる。

7.腐敗対策が大々的に加速される。告発・訴追が増え、2014年には現在の年間およそ14万件から20万件以上になると予想される。職業上の倫理と説明責任の追求は、強力に中国を新たな方向へ向かわせる。誰を知っているかではなく、何を知っているかで成功が決まるようになるだろう。

8.中国は世界中で企業買収や経済活動を通じてその勢力を拡大するだろう。アフリカで活動する100万人の中国人は今後も天然資源を手中に収める取り組みを続けるだろう。

9.中国の軍隊は大幅な資金拡大を要求し、最先端の航空機や艦艇などへの投資を実行するだろう。

10.アメリカの中国ウォッチャーは、中国の成長率が7%強で安定しているという事実にかかわらず、成長率低下を唱え続けるだろう。しかし、2014年の中国の成長率は、2013年を上回るだろう。

 自由市場と外国企業の参入に道をあけ、急速に発展する都市のインフラを強化し、中間層世帯が規模、消費意欲、購買力という点で成長するための社会的条件を整備する世界第2の経済大国、中国の2014年以降の成長に注目したい。

 

注:詳しくは『世界を動かす消費者たち――新たな経済大国・中国とインドの消費マインド』(マイケル J. シルバースタイン、アビーク・シンイ、キャロル・リャオ、デビッド・マイケル著、市井茂樹・津坂美樹監訳、北川知子訳、ダイヤモンド社)を参照。

HBR.ORG原文:Ten Predictions for China’s Economy in 2014 November 21, 2013

 

*第4回はこちら

ボストン コンサルティング グループ(BCG)
世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざまな業種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊密な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた業績をあげられるよう支援を行っている。1963年米国ボストンに創設、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年には名古屋に中部関西オフィスを設立。2013年12月現在、世界45カ国に81拠点を展開している。

 

【書籍のご案内】
『世界を動かす消費者たち』
2020年に10兆ドル、日本の3倍の消費が生まれる――。インドと中国の消費者は、新しい王や王妃として世界に君臨する。彼らは目まぐるしく変化する嗜好と欲求の持ち主であり、消費によって世界を変えようとしている。世界的経営コンサルティング会社、ボストン コンサルティング グループが徹底したインタビューと、21か国2万4000人に及ぶ調査、圧倒的なコンサルティング経験から、新世代の消費者の実像を描く。

46判並製、336ページ、定価(本体1800円+税)
ご購入はこちら
Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス