先進国企業にとっての学び

 起業家だけではなく、中国やインドの社会のあらゆる階層に、高速で猛烈な生き方をするダイナミックな人々がいる。貧しく、ハングリーで活力がある人々。豊富なエネルギーと進取の気性の持ち主であり、成功や功績、希望、物質的な豊かさ、より良い暮らしを夢見ている。彼らは彼らなりの「アメリカン・ドリーム」を描き、その実現に向けて懸命に努力する覚悟がある。例えば、コンサート・ピアニストをめざす8歳の子供は週に50時間練習し、競争の激しい名門大学への入学をめざす学生は週に90時間勉強する。欧米企業の製品と比べて2倍の性能をもちながら価格は半額の電子機器を開発しているエンジニアたちは、週に7日、1日16時間働く。

 今後、中国・インドの消費者たちの、食料品、衣類、日用品、自動車、ヘルスケアサービス、コンピュータ、電子機器など、現代的な快適さや便利さをもたらすありとあらゆるものの購買量は増加の一途をたどる。こうした完成品の購買が、鉄鋼、セメント、石炭、木材、綿、化学品などさまざまな資材の需要をも刺激する。この莫大な成長が見込まれる市場でチャンスを勝ち取るためには、新興国の起業家たちがもつアクセルレーター・マインドを身につけ、迅速に行動を起こさなければならない。

原題:The Accelerator Mindset(初出:BCG, Perspectives, 2012年9月)

*本稿の内容は、筆者らの共著による書籍『世界を動かす消費者たち』(ダイヤモンド社)を基にしています。
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ボストン コンサルティング グループ(BCG)
世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざまな業種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊密な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた業績をあげられるよう支援を行っている。1963年米国ボストンに創設、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年には名古屋に中部関西オフィスを設立。2013年12月現在、世界45カ国に81拠点を展開している。

 

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『世界を動かす消費者たち』
2020年に10兆ドル、日本の3倍の消費が生まれる――。インドと中国の消費者は、新しい王や王妃として世界に君臨する。彼らは目まぐるしく変化する嗜好と欲求の持ち主であり、消費によって世界を変えようとしている。世界的経営コンサルティング会社、ボストン コンサルティング グループが徹底したインタビューと、21か国2万4000人に及ぶ調査、圧倒的なコンサルティング経験から、新世代の消費者の実像を描く。

46判並製、336ページ、定価(本体1800円+税)
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